読書メモ『しあわせになるための「福島差別」論』(池田香代子、他)

開沼博、早野龍五という 2 人の名前を見ただけで即買い (^_^) 。
今年の 1 月 5 日に発行されたばかりの本で、Amazon でも表紙の絵がまだ掲載されていないという状況ですが、今日届きました。

『しあわせになるための「福島差別」論』
著者:池田香代子、清水修二、開沼博、野口邦和、児玉一八、松本春野、安齋育郎、小波秀雄、一ノ瀬正樹、早野龍五、大森真、番場さち子、越智小枝、前田正治
かもがわ出版、2018 年



(まだほとんど内容を読んでいないので、本記事は読み進むごとに更新される予定です。)

「はじめに」の中で清水修二氏は、この本のテーマは「原発事故がもたらした差別と分断 – それを乗り越えるにはどうしたらいいか」であると言及しており、そのために必要だと清水氏が考えているアプローチが、次のように表紙に書かれています。

1、それぞれの判断と選択をお互いに尊重する。
2、科学的な議論の土俵を共有する。

また「はじめに」の最後に「付記」として次のような記述があります。

なお念のために付言しますが、原子力発電の是非に関しては執筆者によって考え方はいろいろで、その点での一致をこの本では前提にしておりません。はっきり見解を表明している記述があるとしても、それは全体を代表するものではありません。

難しい課題になればなるほど、様々な考えや立場の人々がお互いを尊重しながら議論できる関係が重要になるはずで、今後は原発に限らず様々な問題に関して、そのような議論が必要な場面が発生してくると思います。表紙に

めざすのは、福島の人たちの「しあわせ」

という記述がありますが、前述のような議論ができるようになることが、福島に限らず(自分も含めて)多くの人々のしあわせに繋がるはずです。ですからこの本を通して、困難な課題を議論するためのアプローチや考え方、姿勢、作法を学ぶつもりで読もうと思います。

《構成》
第 1 章: 福島原発事故はどんな被害をもたらしたか(清水修二)
第 2 章: 善意と偏見 – 不幸な対立を乗り越えるために(安齋育郎、池田香代子、松本春野、児玉一八)
第 3 章: 7 年たって考える放射能・放射線(早野龍五、野口邦和、児玉一八)
第 4 章: 被爆による健康被害はあるのかないのか(清水修二、児玉一八)
第 5 章: 事故現場のいまとこれから(開沼博)


読書メモ『反脆弱性 – 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』

『反脆弱性 – 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ
訳:千葉 敏生、監修:望月 衛
ダイヤモンド社、2017 年

(今のところ上巻を読み終わったところで、まだ読んでる最中なんですがチマチマ書き始めてます。読み進めながら更新します。)

まず、一般に「脆弱性」というと「vulnerability」と訳すことが多いと思いますが、この本の原題は「antifragile」ですのでご注意を。

著者の主張は、「脆い」(fragile)という単語の逆の意味を表す単語は無い、つまり従来そのような概念は考えられてこなかったということです。したがってタイトルの antifragile は著者の造語です。

この本を読むまで、「脆い」(= 外力によって壊れやすい)の反対は「頑丈」「堅牢」「強固」など(= 外力によって壊れにくい)だと思っていました。しかし論理的には、「脆い」の反対は、外力によって、より良い状態になるもののはずだ、と著者は言います。
小包に「Fragile」と書いてあったら「取扱注意」という意味ですが、これの逆は「取扱に注意しなくていい」ではなく、「乱暴に取り扱って下さい」になるはずだということです。
そして、これから我々は「強固」よりも「反脆い」状態を目指すべきだという持論を、様々な観点から説いています。

ちょっと極端なことを言っているような感じもするので、面白くてのめり込む人と、なんだくだらねぇ、といって興味を持たない人と、両極端に分かれる本かも知れません。

主にビジネス向け(特にリスクマネジメント、危機管理、災害対策、BCM、レジリエンス、金融など)の本ではありますが、そっち方面でない方が読んでも面白いのではないかと思います。