安東京平先生に Baritone ソロのレッスンをお願いしたら改めて先生の引き出しの多さに恐れ入った話

某金管バンドの次回定期演奏会では Baritone で Do_____ _ay のソロを仰せつかっております。プログラムが決まった直後あたりから安東京平先生にレッスンをお願いしていましたが、今日ようやく実現し、多くの実践的なアドバイスをいただくことができました。



安東先生のレッスンではいつも、いきなり正解を示される訳ではなく、ある程度試行錯誤しながら良さげな方向性を見つけていくという感じで、とても手応えや納得感があります。今回もとても密度の濃い時間でした。
忘れないようにレッスン直後に清瀬のスタバで一心不乱に打ち込んだメモを晒しておきます。

  • 最初のメロディは、音が C – F – G – A – C – A – G -F – G – F と動くメロディではあるが、もっと真っ直ぐな息の流れを意識した方がいい。例えば、まっすぐ A を伸ばしている間に、さりげなく一瞬 C に変わってた、というくらい。
  • 一方でテンポ感は真っ直ぐではなく、フレーズの真ん中でフワっと浮いて待っているくらいの感覚があった方がいい。
  • [A] の 6 小節目から音域がやや高めになる部分は、オクターブ下で吹く感覚を思い出して吹くと、音が硬くならずに済みそう(って、言うのは簡単だけどな)。
  • [C] の 3 小節前の真ん中でブレスを入れるかどうかは悩みどころ。先生からも「まあ悩んでください」と (^_^; 。
  • [D] からの、ソロが裏メロディになる部分は、安東先生からの提案で先生が Euphonium でメロディを吹いてくださり、それに合わせて吹いてみたら、一人で吹くよりも格段に楽になった。これは目からウロコだった。主旋律(バンドでは Cornet)の倍音にうまくハマるように吹ければ、相乗効果で楽に吹けるということ。安東先生を相手に何とも贅沢な duo をやらせていただいたが、安東先生との間で感じられた相乗効果を複数の Cornet との間で実現できるかどうかが鍵らしい。
  • [D] の 3 小節目の G はコードにハマらない音を敢えて入れている感じをしっかり伝える。9 小節目の Bb も同様。降りるときにもったいぶるくらいがちょうどいい。
  • ラストから 3 小節前で F –> E と上がるところは、体も楽器も F を吹いているポジションのまま E に上がるようなイメージを持つと上手くいきそうだ、ということが分かった。

 

こういう事を書いてしまうとますます言い訳できなくなりますよね。
そうです。そういう作戦です。

 


Baritone 用の古くて新しいマウスピースを試した

蒲田の某出会い系楽器屋に取り寄せを頼んで先々週届いた Baritone 用マウスピースを、先週のブラスバンド練習で試してみました
今回買ったのは Denis Wick の 6BS という、Baritone 用としてはおそらく最も古いモデル。現在の楽器を使い始めて 1 年と少々たったところで、思うところあって最もオーソドックスなマウスピースを買うことにしましたが、これが見事にハマった感じで調子が良かったので、当面の間これ一本でいってみようと思います。



ちなみにこれまでの Baritone 用マウスピース遍歴など。

1) Bach 6 1/2 AL
この楽器を買った時に自分が唯一持っていた細管用マウスピースをとりあえず使用。案の定イマイチでした。ひととおり楽に吹けるんですが音質や雰囲気が何となく「これじゃないよな」という感じ(うまく説明できません)。

2) Denis Wick SM6B
周りの勧めもあって、とりあえず Denis Wick にしようと思いました。都内および横浜の楽器屋に片っ端から電話して、唯一 Denis Wick を在庫していたセントラル楽器に行き、3 本くらい試奏させていただいたうちの 1 本。もっとも、あとの 2 本は 4 番など大きめのもので自分にとってはお話にならず、ほぼ選択の余地なく購入しました。
高音域が若干出にくいかなとは思いましたが、音質や鳴り方、アタックの決まり具合が全体的に気に入ったので、納得して購入しました。

3) Alliance B6
Denis Wick での高音域のキツさに関しては、安東先生に相談して(http://ktashiro.net/archives/280)解決の糸口は見えたものの、やっぱり楽したいよなぁと思い、ブラスバンド界隈では Denis Wick の次によく使われている(っぽい)Alliance まで検討対象を広げました。試奏せずにマウスピースを買うことには抵抗があるので、また電話であちこち問合せたところ、在庫があったのはまたしてもセントラル楽器 (^_^; 。2 本試奏させてもらって B6 を購入。全体的に吹き心地は悪くないし、ハイトーンの打率が比較的高かったと思います。

そんな経緯でしばらく Alliance を使っていたのですが、アタックの決まり具合や安定感、音量を上げた時の安心感などの点でやはり Denis Wick の方が良いような気がして、確か 2 ヶ月くらい前から SM6B に戻って来ました。そして最近たまたま見た Denis Wick のスペックリストで、SM6B よりも 6BS の方が若干ボアが細めだということが分かり(カップ内径は同じ)、どんな感じなのかが何となく想像できたように思えたので、京急蒲田方面にオーダーした次第です。
三十数年の金管楽器歴の中で、試奏せずにマウスピースを買ったのは恐らく初めてなので若干不安はありましたが、予想以上にイメージ通りのマウスピースで、最初のウォームアップから合奏終了まで 6BS で通してしまいました。ザックリ言うと、SM6B の良いところを残しつつ、吹奏感を軽くした感じです(もちろん開発順序としては SM6B の方が後発ですが)。もしかしてこの楽器の開発にはこのマウスピース使ってたんじゃないの?と思うくらい、楽器との相性の良さを感じました。

そういう訳で SM6B と Alliance B6 は当分使わなくなるかも知れませんが、私が 6BS にたどり着くために、これら 2 本のマウスピースが教えてくれた事は多いので、決して無駄な回り道ではなかったと思います。


安東京平先生のレッスン受講(4 回目)

年明けから金管バンドに Baritone で参加しているので、今回のレッスンは Baritone でお願いした。今回の問題意識は二つあった。

  • そもそも金管バンドにおける Baritone にどういう音色が求められているのか知らないし、吹いている本人としてはどんな音が出ているのか分からないので、音色に関するフィードバックを欲しい。
  • 自分の周り 360° で「ブラスバンドには Denis Wick だ」という意見が支配的なので、まずは先人の教えに従って Denis Wick の SM6B を調達したが、正直吹きにくい。本当に Denis Wick がいいのか(そんなに音色が違うのか)確認したい。

自分自身が持ち込んだ細管用マウスピースは Bach 6-1/2AL (これの方が特に高音域で吹きやすい)、それに安東先生がお持ちの Tilz の 7C とヤマハの 48 を使っていろいろ試してみたところ、結論としては Denis Wick を使い続けるのが良さそう、ということになった。



自分自身が Denis Wick で吹きにくいと感じる最大の理由は、高音域で息が入りにくくなり、音が細くなってしまうこと。かつて Euphonium で Denis Wick (買った楽器に付属していた 4AL)を使っていた時も同じような問題があって、Denis Wick に相性の悪さというか苦手意識を持っていた(当時はマウスピースを他社のに替えてあっさり解決した)。今回もソレかなぁ、というのがレッスン前の認識だった。

先生といろいろ相談しながらいろいろ試してみて、また先生にも吹いてみていただいて分かったのは、高音域にいくときにアパーチュアが狭くなりすぎているのではないか、という事だった。そこで、アパーチュアを変えないように意識しながら、息の量を(感覚的には倍ぐらいに)増やして高音域を出してみると、音が細くならなくなった。音色や響きも悪くなさそう。

ちょうど当日の午前中に練習で使った Highland Cathedral の旋律を使って、前述の吹き方を試してみた。Bb –> F と上に跳躍するときに、とにかく頑なにアパーチュアを変えず、F に息を倍ぐらい突っ込むつもりで吹いてみたところ、F だけ音量が出過ぎてる(うるさくなってる)ように感じた。ところが、これは吹いている本人がベルの裏側から出ている音を聴いた時の感覚であって、離れている聴き手(今回は安東先生)にはそこまでうるさく聴こえておらず、むしろ旋律の流れの中で自然にウエイトが乗ってる程度だったようだ。ちなみに同じ吹き方を他のマウスピースで試すと、音が暴れる感じがした。恐らく Denis Wick のマウスピースがうまく吸収してくれているのだと思う。

高音域だけでなく他のフレーズもいろいろ試してみたが、他のマウスピースだと発音が汚くなりそうなところも、Denis Wick だと安定している。安東先生も実際に Denis Wick でいろいろ吹いてみた感想として、他のに比べて細かいパッセージを吹く時も安心感があるとおっしゃっていた。

おそらく、Denis Wick は他のマウスピースよりも懐が深くて、私ごときが少々息を多く入れすぎても音が暴れないのだろうと思う(プロがやったら別だが)。逆に高音域では、サボらずに息を供給し続けないと、音がすぐショボくなる。Denis Wick はそういうものだという前提で使わなければいけないらしい。

そういう訳で今回の結論は、「Denis Wick のマウスピースで高音域を吹くときはアパーチュアを狭くしないで息をガッツリ突っ込む」ということ。

今までは、高音域が出にくい –> アパーチュアを狭くする –> 息が入りにくくなる –> 音がショボくなる –> これじゃイカンと思って息を入れようとする –> さらにアパーチュアが狭くなる –> … という悪循環に、無意識のうちにハマっていたらしい(自分で意識してアパーチュアを狭くしていた訳ではない)。この悪循環から抜け出そうと思ったら、アパーチュアを変えないことをしっかり意識して、息を突っ込むことが必要なのだろうと思う。

この辺が分かって高音域が問題なくなれば、全体的に Denis Wick の方が、他のマウスピースよりも音色も発音も安定しているので、これを使った方が良さそうだということになった。これでマウスピースに関する迷いがひとつ消えた。

もし一人で試行錯誤していたら数ヶ月かかったかも知れないが、安東先生のおかげで一時間弱で方向性が見えた。このタイミングで相談できて本当に良かったと思う。

余談だが、きっと Euphonium で Denis Wick が苦手だったのも、これが分かっていたら克服できたのかも知れない。まあ今さらですが。