車が趣味とは言いませんが、車の運転は好きです。
別にサーキットに行かなくても、街乗りで普通に交差点を曲がるだけで十分楽しいです。そういった意味では安上がりな奴だと思います。
そんなに特別な車に乗っている訳ではありませんが、これまで所有した車は全てマニュアル・トランスミッションです。
車を運転する時間が最近ずいぶん減りましたが、運転席に座ってエンジンをかけるときは、今日もこの車を運転できるという安心感と、ちょっとした昂ぶりが必ずあります。
昂ぶりすぎても危ないので、このくらいがちょうどいいと思います。
でも、こんな楽しみをあと何年続けられるだろうかと思います。
そのうち世間の自動車は全て電気自動車か何かに移行していくでしょう。ガソリンを入手しにくくなる日も、意外とすぐかもしれません。ガソリンが極端に値上がりするかもしれませんし、電気自動車への移行を後押しするためにガソリン税が法外に引き上げられるかもしれません。そういう状況でもなおガソリン車に乗り続ける行為はもはやマニアとかエンスーの領域に入っていきます。
でも私は電気自動車の運転が楽しくなるとは到底思えないのです。
運転席に座って電源スイッチを入れる行為で昂ぶりを感じる自分を想像できません。そもそも AT 車に乗るだけでも既に相当モチベーションが下がっているくらいですから、レシプロエンジンがついてない車なんて絶望的です。我ながら面倒な奴に育ってしまったものです。
世間の自動車が電気自動車などに移行していくのは、主に気候変動を緩和(mitigation)するためです。
そのような社会に合わせて振る舞いを変えることを、気候変動への適応(adaptation)といいます。そういった意味では、世間の自動車が全て電気自動車になったときに、そこに楽しみを見出して生きていくのも、個人的なレベルでの気候変動適応と言えます。
実は仕事関係では、多くの企業に気候変動適応に取り組ませるにはどうするか、というような議論をしています。しかし気候変動への適応に最も時間がかかりそうなのは自分自身かもしれないのです。自動車メーカーの皆様にはぜひ、運転が楽しく感じられる電気自動車を開発していただきたいと思います。