PCR 検査について論じるために(たぶん)最低限知っておくべきこと

あらかじめお断りしておきますが、私は医療関係の専門家ではありませんので、この記事に書かれている内容が絶対に正しいという保証はできません。しかしながらこの記事の最後に記載した「参考文献」に基づいて書いているので、大事なところは外していないと思います。

したがって私自身はこの記事を読んだ結果に関して何ら責任を負いません。下記の「参考文献」およびその他の資料を使って、ご自分の責任で調査、確認されることをお勧めします。

 


一般に、検査には誤差や誤検出がつきもので、100% 正確な検査は恐らく無いと思います。新型コロナウイルスの PCR 検査ももちろん例外ではありません。

新型コロナウイルスの PCR 検査の場合、検査の正しさを表す指標として「感度」と「特異度」があります。感度は、感染している人が正しく「陽性」になる割合です。また特異度は、感染していない人が正しく「陰性」になる割合です。

参考文献 1. によると、新型コロナウイルスの PCR 検査の感度は 70% 程度、特異度は 95% 程度のようです。つまり、既に感染している人 100 人が PCR 検査を受けても 30 人くらいは陰性になることになります。これを「偽陰性」といいます。逆に、感染していないことが確実に分かっている人を 100 人集めて PCR 検査を行うと、5 人くらいは陽性になるということで、これは「偽陽性」といいます。

ここで、次のような例題を考えます。

特に新型コロナウイルスの感染が疑われるような症状がなく、他の感染者との濃厚接触もない A さんが、新型コロナウイルスの PCR 検査を受け、その結果が「陽性」だったとします。この場合、この A さんが本当に新型コロナウイルスに感染している可能性はどのくらいでしょうか?

この問いに対する答えは前提条件によってかなり変わりますが、いずれにしても驚くほど低い数字になります。以下、A さんが東京都民だと想定して説明を進めます。


前提条件

  • 2021 年 1 月 1 日時点での東京都の人口は 13,960,236 人(注 1)。
  • 2021 年 2 月 4 日時点での東京都での PCR 検査陽性者数(累計)は 102,200 人(注 2)。
  • 単純化のために、ここでは「PCR 検査陽性者数(累計)」=「現在の感染者数」とみなして考えます(注 3)。

 

考え方と計算方法

まず、感染が疑われるような症状がなく、他の感染者との濃厚接触もないのに、実は A さんが既に感染している可能性は、次のようになります。

(現在の感染者数)÷(東京都の人口)≒ 0.00732  (0.732%) --- [α]

次に、A さんの検査結果については、次の表のとおり 4 通りが考えられます。

感染している 感染していない
陽性 (1) (2)
陰性 (3) (4)

ここで「感染している」の列については感度を、「感染していない」の列については特異度を適用して計算します。

まず (1) と (3) については、A さんが感染している可能性が 0.732%、検査の感度が 70% なので、次のようになります。

(1) = 0.00732 × 0.7 ≒ 0.00512
(3) = 0.00732 × (1 - 0.7) ≒ 0.00220

また (2) と (4) については、A さんが感染していない可能性が(100% – 0.732%)すなわち 99.268%、検査の特異度が 95% なので、次のようになります。

(2) = 0.99268 × (1 - 0.95) ≒ 0.04963
(4) = 0.99268 × 0.95 ≒ 0.94305

したがって、検査結果が陽性だった A さんが感染している可能性は次のようになります。

(1) ÷ {(1) + (2)}= 0.00512 ÷ ( 0.00512 + 0.04963 ) ≒ 0.09352  (9.352%)

 

考察と注意事項

症状や他の感染者との濃厚接触など、A さんが感染している可能性を示唆するような材料がない状態で検査を行った場合、結果が陽性だったとしても、それは 9 割以上の確率で偽陽性だということになります。つまり、症状のない人に対して闇雲に PCR 検査を実施すると、偽陽性で隔離される人がどんどん増えるということになります。

しかしながら、これは「PCR 検査は役に立たない」という趣旨ではありません。感染が疑われる症状がある人や、他の感染者との濃厚接触がある方の場合は、上の例題の A さんよりも既に感染している可能性(上の [α])が大きくなるので、計算結果が大幅に異なります。

例えば、医師が診断した結果「感染している可能性は五分五分だ」と考えた場合、上の [α] を 0.5 として同様に計算すると、検査で陽性になった人が本当に感染している確率は約 93% になります。もっと控えめに、[α] を 0.2 にしても、約 78% になります。したがって、医師の診断などの方法で、感染している可能性を事前に見積もることと併用すれば、PCR 検査は信頼できる、ということになると思われます。

もちろん、感染しても無症状で、なおかつ他の人に感染を広げるという方が一定割合存在することが分かっているので、「偽陽性のリスクがあるとしても徹底的に検査を行うべきだ」という考え方もあるかも知れません。しかしその場合は、1 人の無症状感染者を見つけるために 9 人の偽陽性者を隔離するという犠牲を受け入れる必要があります。これを受け入れることが妥当なのかは私には分かりません。

 

注釈

  1. 東京都 Web サイト「「東京都の人口(推計)」の概要(令和3年1月1日現在)」 https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/28/01.html (2021/2/5 閲覧)
  2. 週刊東洋経済 ONLINE「新型コロナウイルス国内感染の状況」 https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/ (2021/2/5 閲覧)
  3. もちろん、これまで検査を受けて陽性になった方々の中にも、ある程度の偽陽性が含まれている可能性があります。また一度感染した後に回復された方も多数おられるはずですし、感染しているのに見つかっていない感染者も多数おられると思います。しかしながら、これらを見積もることは出来ないので、ここでは全て無視して考えます。

 

参考文献

  1. 岩田健太郎(2020)『丁寧に考える新型コロナ』光文社新書《Amazon リンク
  2. 結城浩(2020)『数学ガールの秘密ノート/確率の冒険』SBクリエイティブ《Amazon リンク

 




新型コロナウイルスの影響で苦境にある音楽家を支援するための、具体的な方法

ニューヨークで活動されている作曲家・ピアニストの宮嶋みぎわさんから、『【重要・ぜひシェアしてください】音楽家を具体的にヘルプする方法 手順付きで紹介します』というメールをいただきました。私自身も大いに共感するところですので、全文を転載させていただきたいと思います。

メールの中で宮嶋みぎわさんが挙げている方法は次の 4 つです。

  1. 作品を買う
  2. 応援金を送る
  3. レッスンを受ける
  4. 演奏動画を納品・オンラインコンサート・オリジナル曲を書く、などの仕事を発注する

これらの中で「3. レッスンを受ける」については、オンラインレッスンの可能性に言及されていますが、これは私自身も先日 International Euphonium Tuba Festival 2020 で他の人のオンラインレッスンを見学させていただき、意外とオンラインでもしっかり指導が受けられる可能性があると感じましたので、特にこれからはチャレンジする価値があると思います。

 

※ 読みやすさを考慮してレイアウトを若干調整させていただきました。

【以下、2020 年 7 月 6 日(JST)に受信したメール全文】

みぎわの曲書き日記 Migiwa Miyajima’s diary as a composer
【重要・ぜひシェアしてください】音楽家を具体的にヘルプする方法 手順付きで紹介します
Posted: 05 Jul 2020 09:01 PM PDT

ご存知の通り
音楽界はいまピンチです。
以下、大ピンチのNYに住む音楽家の一人として書かせていただきました!

音楽家をサポートしたい方へ
実際に収入の助けになるのは主に以下の4つです。

  1. 作品を買う 必要な気合い★ 予算1000円くらい〜
  2. 応援金を送る 必要な気合い★★ 予算はあなたの思う金額
  3. レッスンを受ける 必要な気合い★★ コロナ後オススメ度★★ 予算はピンきり
  4. 演奏動画を納品・オンラインコンサート・オリジナル曲を書く、などの仕事を発注する 必要な気合い ★★★ コロナ後オススメ度★★★ 予算はピンきり

 

※ 以上4つをファンの方にしてもらう準備がWEBSITE上で整っていない音楽家は今スグ整えてください。あなたを助けたい人がいても助けられないですよ。

 

1・作品を買う

アルバム(CDもしくはデジタル)や楽譜を
アーティストから購入する方法です。

やり方)
応援したいアーティストのサイトへ行く
→アルバムや楽譜を買う方法が載っているはずなので、そこから購入する
→英語の場合 BUY・PURCHASEなどの言葉で書いてあるものがそれにあたります

注意点)

  • SpotifyやApple musicなどの聴いているから、もういいよねという方→→→ごめんなさい、ストリーミングサービスは、ぜんぜん音楽家の利益にならないので、できれば避けて!
  • アーティストかレーベルから直接物理的にCD or デジタル・ダウンロードを買うのが通常最も利益率が高いはずです。
  • アーティストと親しい場合は最も利益率が高いものがどれか相手に直接聞くのも手です。

 

2・応援金を送る

音楽家に直接応援金を送る方法です。

やり方)
応援したいアーティストのサイトへ行く
→必ず連絡先が載っているので、そこからアーティストにメールを送り、コロナ事情を見て応援したいと思ったので応援金を送りたい、と直接言ってみましょう。

注意点)

  • 海外に送る場合などは物理的に送金手段があるかどうかを、先に調べておくと良いかと。相手が応援金嬉しい!と喜んだあとで物理的に送れないとわかったのでは、ちょっとつらい…
  • 米国のアーティストでNPO団体と仕事をしている方の場合、税金の優遇措置をうけられる場合もあるので(米国で納税している場合に限る)アーティストに問い合わせしてみましょう。

 

3・レッスンを受ける

超有名音楽家でも、なんと驚くことにほとんどの方がレッスンを受け付けています。
※特に音大が休みの時期は、有名音大で教えている先生でも時間があるので狙い目!

コロナによって
世界中の先生がオンラインレッスンをするようになり…
つ・ま・り!
世界各地のあこがれのアーティストからレッスンしてもらうチャンスです♡

これを逃す手はないぞ〜〜!

※ 私は初心者だからムリ…などと決めてしまうのは日本人の悪い癖。自分のレベルを正直に伝えて、レッスンがうけられるか聴いてみましょう。ほとんどの方が初心者のレッスンも受け付けていますよ!

やり方)
応援したいアーティストのサイトへ行く
→レッスンについての情報がある場合はそこから問い合わせ

→レッスン情報がない場合でも、連絡先からレッスンをしてもらうことはできますか、と伝えてみる。その時に「何を勉強したいか」「何がゴールか」「なぜその音楽家に教わりたいのか」を添えると更にGOOD!

注意点)

  • レッスン代金と支払い方を聞くのを忘れないように!外国の場合日本から物理的に支払えない場合もありますぞ。

 

4・演奏動画を納品・オリジナル曲を書く、などの仕事を発注する

<<コロナ後ライフに最オススメ!>>>

音楽界は今まで
極めて閉じられた世界でした。

音楽家に仕事を依頼するのは
音楽業界人だけでしたからね…

 

でもそれが、コロナで変わりつつあり
音楽家もあたまが柔らかくなっているので

今までになかったような
クリエイティブな注文を
アーティストにお願いすることが可能です。

  • 結婚式に華を添えたい→→→憧れのアーティストとオンラインでつないで、アーティストの生演奏を結婚式中に流しちゃおう!
  • 転職する上司にびっくりするプレゼントを送りたい→→→上司が好きなアーティストにギター伴奏をしてもらって動画納品してもらい、それに部下全員が合唱を付けて動画をプレゼント
  • 親友の誕生日に世界で一つのプレゼントを送りたい→→→親友が好きな曲を私がピアノで弾けるレベルにプロの編曲家にアレンジしてもらって、練習して・演奏動画を撮って・誕生日に送ろう!
  • 会社のWEBSITEで憧れのサックス奏者の演奏BGMに使いたい→→→自宅で高精度な録音ができる環境をコロナ中に整えた音楽家はたくさんいます。自宅から録音して送ってくれるはずです

どうですか
わくわくしませんか?!
コロナは大変ですが、音楽界はこんなに変わったんです。
これを利用しない手はありません!

やり方)
応援したいアーティストのサイトへ行く
→必ず連絡先が載っているので、そこからアーティストにメールを送り、どんなことを依頼したいか、正直に言ってみましょう!

注意点)

  • どのくらいの予算が必要か、必ず聴いてください。超ピンきりなので、聞かずに進めておくと、後でエラい金額を請求される場合があります汗
  • 逆に低すぎると思う金額を提示された場合は、どうぞ上げてあげてください…素晴らしいのに高い値段を言えない音楽家も多いものなのですよ…

 

以上、音楽界内部をよく知る音楽家本人から
音楽家をヘルプする方法でした!

是非トライしてみていただけたら嬉しいです!

ちなみに・・

  • お財布の状況が許さない場合は、SNSなどに思いきって、応援している旨のコメントを残してみてください。お返事ができない場合でもほとんどの場合本人がそれを読んでいて、喜んでいるものですよ!

(この写真の掲載場所: https://1.bp.blogspot.com/-amw6G-q2rco/XwKd4gzOh9I/AAAAAAAAkfQ/ch6cd_TLtiUmvWiC_UX_I6psJQ8Cg8TPACLcBGAsYHQ/s1600/MigF.jpg

私は元気です(#^-^#)!いつかまた皆さんの前で演奏するからね♪
写真はマンハッタンの名所「バードランド・ジャズ・クラブ」で演奏したときのもの

追伸)
私が住んでいるNYでは、音楽家の生活が本当に危なくなっています。どれだけの数が家賃も物価も高いNYとその近郊で生き残っていけるのか、極めて怪しい状況。音楽が好き!という方には、是非積極的に音楽家を応援していただき、音楽が生き残るよう一緒に戦っていただければ幸いです。

●演奏が収入のメインだった人たちは・・・ブロードウェイ・カーネギーホール・リンカーンセンターもMetオペラも年内クローズが公式に発表されて、特別失業保険が今月末で終わったら、おそらく収入がゼロになります!

●音楽学校等で教えている人も、ほとんどが授業1コマずつ契約の講師なので、夏休みになったら収入がゼロです。

音楽家だけでなく、ダンサー・女優俳優・大道具小道具かつらなどの美術家たち・機械じかけのシステムを動かす専門家・照明音声など専門スタッフ・接客スタッフから事務方まで、関わっている方々の数は数え切れないのですが、私は音楽家の生活しかわからないので、音楽家の話しかここではできないことをお詫びさせてください…。

 

【転載は以上です】

ハンコが必要な手続きをなくしてほしい

今日の ABEMA Prime で、IT 担当大臣がハンコ議連の会長を辞めたというニュースの絡みで、ハンコ議連会長代行の国会議員をゲストに呼んで討論が行われたのを見ました。討論そのものは案の定というか話が全然かみ合わずに終わったのですが、ハンコ議連の議員でさえこんなことも知らないのかと思ったことが一つありました。

この会長代行は、(正確な表現は忘れましたが)ハンコが義務付けられているのではなく、あくまでも選択肢の一つとしてハンコがあるのであって、サインを使いたい人はサインを使えばいいし、電子的な手続きでもいい、各人や各社が自由に選べばいい、というような趣旨の主張をされていました。また前会長(IT 担当大臣)は 4 月に、ハンコの使用については「しょせんは民・民の話だ」などとコメントされていました

お二方とも、ご存じないのか意図的なのか分かりませんが、私の知っている範囲でも民間の側だけでハンコを使うかどうかを選べない手続きがあります。そのひとつは法人登記です。

法務局で法人登記を申請する際には代表者の実印が必要です。また、登記の際に必ず法人の実印を登録する必要があります。したがって少なくとも代表者個人の実印と法人の実印との 2 つを作っておく必要があります。

そして法人登記が完了したら、登録された実印とその実印に関する印鑑証明書とをセットで使うことが、様々な手続きにおいて実在の法人であることの証明として要求されます。法人登記で実印を登録するという仕組みが変わらなければ、法人設立後の様々な手続きで実印と印鑑証明書を求められるという状況はなくならないでしょう。

中には電子署名の入った IC カードを使ってオンラインでできる手続きもありますが、まだまだ限定的ですし、政府の手続きにも、電子署名に対応しておらず印鑑と印鑑証明書が求められるものが、まだまだ残っています(例:G ビズ ID 登録)。

こういう状況で「しょせんは民・民の話」という発言はありえないと思います。また ABEMA Prime に出演されたハンコ議連会長代行は「サインよりもハンコのほうが簡単で便利」というような趣旨の話をされましたが、実印に関してはハンコを押せば済むことよりも印鑑証明書も必要になることの方が多いので、非常に面倒ですし、そのたびに金がかかります。事実誤認も甚だしいと思います。

私自身は会社を辞めて独立しましたので、社内手続きで上司のハンコをもらうというような煩わしさからは開放されましたが、実印だけは自分の力では廃止できません。

ぜひ IT 担当大臣には実印廃止に本気で取り組んでいただきたいと思います。

緊急事態宣言下で献血に行くことをお勧めしたい

新型コロナウィルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令され、「不要不急の外出を自粛する」ことが求められていますが、何週間も STAY HOME を続けていろいろ溜まっておられる方も多いのではないかと思います。そのような皆さんにはぜひ、献血に行かれることをお勧めしたいと思います。

現在、緊急事態宣言の影響で外出する人が減ったため、献血に来られる方も大幅に減少し、血液が足りないそうです。出かけたついでに献血する人が減少しているのですから、これを補うためには、もう献血を目的として出かけるしかないでしょう。

しかも、下記リンク先のページに明記されているとおり、献血に行くのは「不要不急」ではありません。社会の要請に応えるための行為として、大手を振って堂々と外出できます。

 

日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター
「緊急事態宣言下での献血協力のお礼と今後の献血のお願いについて」
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/bbc/2020/04/post-69.html

 

献血バスだとつまらないですが、献血ルームの中にはフリードリンクや漫画、雑誌などが充実しているところも多いので、そういうところを選んで行けば快適です。成分献血だと採血に一時間以上かかるので、自分の本を持っていってもいいと思います(自分はこれ)。

以下、この時期に献血に行く際に注意すべき点を私なりにまとめます。

1) できるだけ近くの献血ルームを選ぶ

不要不急でなく、社会の要請に応えるための行為とはいえ、行動や他人との接触は出来るだけ少なくすべきだと思いますので、できるだけ自宅から近い献血ルームを選ぶべきでしょう。

2) 予約してから行く

献血ルームの混雑を緩和し、献血ルームでの感染リスクを減らすために、予約してから行くことをお薦めします(成分献血は所要時間が長いこともあって、非常事態宣言発令前から予約が必要でした)。

3) 感染防止策を講じる

自分自身が献血ルームにウイルスを持ち込まないように注意すべきなのは当然です。日本赤十字社の Web サイトにも次のとおり記載があります。

日本赤十字社 東京都赤十字血液センター
「新型コロナウイルス感染症予防のためのお願い」
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/2020/04/430.html

ちなみに私が行った献血ルームでは、入り口で非接触体温計による検温がありました。

私は今日献血してきましたが、公私ともに予定がいろいろキャンセルになったり、行動が制限されたりして、モチベーションが下がりがちな日々の中で、多少なりとも社会のために役立つことができたのを実感できます(効果には個人差があります)。

余談ですが、今回は初めて成分献血を経験しました。全血献血の場合、次回献血まで少なくとも 8 週間の間隔をあける必要がありますが(具体的には次回献血の種類による)、成分献血なら 2 週間後に再度献血できるので、緊急事態宣言が解除されるまでにもう一回行けますね (^_^) 。しばらくあまり忙しくならないと思うので、また行ってきたいと思います。

楽しく車を運転できるのはいつまでか

車が趣味とは言いませんが、車の運転は好きです。
別にサーキットに行かなくても、街乗りで普通に交差点を曲がるだけで十分楽しいです。そういった意味では安上がりな奴だと思います。
そんなに特別な車に乗っている訳ではありませんが、これまで所有した車は全てマニュアル・トランスミッションです。
車を運転する時間が最近ずいぶん減りましたが、運転席に座ってエンジンをかけるときは、今日もこの車を運転できるという安心感と、ちょっとした昂ぶりが必ずあります。
昂ぶりすぎても危ないので、このくらいがちょうどいいと思います。

でも、こんな楽しみをあと何年続けられるだろうかと思います。
そのうち世間の自動車は全て電気自動車か何かに移行していくでしょう。ガソリンを入手しにくくなる日も、意外とすぐかもしれません。ガソリンが極端に値上がりするかもしれませんし、電気自動車への移行を後押しするためにガソリン税が法外に引き上げられるかもしれません。そういう状況でもなおガソリン車に乗り続ける行為はもはやマニアとかエンスーの領域に入っていきます。

でも私は電気自動車の運転が楽しくなるとは到底思えないのです。
運転席に座って電源スイッチを入れる行為で昂ぶりを感じる自分を想像できません。そもそも AT 車に乗るだけでも既に相当モチベーションが下がっているくらいですから、レシプロエンジンがついてない車なんて絶望的です。我ながら面倒な奴に育ってしまったものです。

世間の自動車が電気自動車などに移行していくのは、主に気候変動を緩和(mitigation)するためです。
そのような社会に合わせて振る舞いを変えることを、気候変動への適応(adaptation)といいます。そういった意味では、世間の自動車が全て電気自動車になったときに、そこに楽しみを見出して生きていくのも、個人的なレベルでの気候変動適応と言えます。

実は仕事関係では、多くの企業に気候変動適応に取り組ませるにはどうするか、というような議論をしています。しかし気候変動への適応に最も時間がかかりそうなのは自分自身かもしれないのです。自動車メーカーの皆様にはぜひ、運転が楽しく感じられる電気自動車を開発していただきたいと思います。

私が生年月日を非公開にする理由

わざわざ書くほどの事でもないような気もするのですが、某所で話題になったので一応。

 

私は Facebook などのプロフィールで生年月日を非公開にしています。

歳がバレるのが嫌だからではありません。むしろ「意外と _ _ _ _ _ _ ですね」とか言われるのが面倒なので先に知っておいてほしいと思うくらいです。ちなみに 1968 年生まれで現在 50 歳です。

生年月日を非公開にしているのはセキュリティ上の理由です。

(写真は本文とは関係ありません。)

随分前のことになりますが、転居、転職、クレジットカードの引き落とし口座の変更などの理由でクレジットカード会社など複数の金融機関に、何度か電話しなければならない事がありました。オペレーターが電話に出ると最初に本人確認のプロトコルがあります。ここで何を聞かれるかは金融機関によって異なりますが、だいたい自分のフルネーム、住所、生年月日などを聞かれ、これに答えられれば「ありがとうございます、ご本人確認ができましたので…」ということで用件に入ります。

これをどう感じるかは人それぞれだと思いますが、私は「この程度の情報でいいの?」と若干心配になりました。もっと他に聞くことないのかよと。例えば暗証番号とかパスワードとか、最近そのカードで買ったものとか、好きな女優は誰かとか、本人でなければ知らなさそうな事をもうちょっと何か聞いて確認してくれよと思ったのですが、とりあえず生年月日を淀みなく言えれば本人確認をクリアできる可能性が格段に高まるようです。ということは、生年月日を他人に知られるということは、なりすましの被害にあう確率がかなり高くなるという事ではありませんか?

そう思った私は生年月日を公開するのをやめました。もちろん Facebook などではプロフィールの公開範囲を設定できますが、あんなの何らかのバグや設定ミス、予告なしの仕様変更でどうなるものか分かりません。

私が心配しすぎかもしれませんので、他の皆さんに同じようにすべきだと言うつもりはありません。これを読んで心配になったら非公開にすればいいし、心配しすぎだと思ったらそのままにすればいいと思います。むしろ、これが心配しすぎだ(=生年月日くらい知られても何の問題もない)ということを何らかの根拠とともに教えてくれる人がいたら私はとても嬉しいです。

私はこのような考え方ですので、生年月日は非公開にしていますし、Facebook で「今日は _ _ _ _ _ さんの誕生日です」という通知を見ても特に何もしません。冷たいなぁと思われるかもしれませんが、それよりも大事なことがあると今のところ思っていますので。

クラスター爆弾に関するメモ

報道

「国際法禁止クラスター爆弾メーカー、三菱UFJなど金融160社が投資」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/ufj160.php

毎日新聞「クラスター爆弾製造 日本4社が投融資 NGO報告書」
https://mainichi.jp/articles/20170528/k00/00m/040/106000c

朝日新聞「日本の4社、クラスター爆弾製造企業に投資 NGO発表」
http://www.asahi.com/articles/ASK5R55NPK5RUTFK00R.html

NGO のサイト

http://www.stopexplosiveinvestments.org/

PAX による報告書 2017 年版

http://www.stopexplosiveinvestments.org/report

報道状況のまとめ http://www.stopexplosiveinvestments.org/uploads/launch%202017/2017%20Press%20Coverage%20Explosive%20Investments.pdf

 

企業からのメッセージ

三井住友信託銀行「エンゲージメント – グローバルなESG課題解決に向けての参画例」

http://www.smtb.jp/csr/ri/engagement_policy.html

 

解説

「クラスター爆弾」への投融資に関する報道相次ぐ…ESG投資への関心高まるきっかけか

http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=12405

僕が Facebook のアイコンをトリコロールにして、しばらく外さない理由

フランスで痛ましいテロが発生して間もなく、Facebook で自分のアイコンにトリコロールを被せる機能がついたのを知った時、ほとんど躊躇なく自分のアイコンに使った。理由は単純で、フランスの皆さんを励ますために、少しでもできる事があればしようと思ったから。Facebook の画面上でトリコロールのアイコンが増えたら、喜ぶフランス人がいるんじゃないかと思った。ただそれだけ。
別にフランス人の友達がいる訳じゃないけど、たまに海外の記事に「いいね」したりするので、自分のアイコンがフランス人の目に触れる可能性も多少はある。
しかし、まさかアイコンをトリコロールにすることの是非が、こんな議論になるとは思わなかった(と言ってもほとんどネット上の話だろうが)。

いくつかの記事を読んだところでは、アイコンのトリコロール化に対して批判、もしくは違和感があるという理由は、だいたい次のようなものではないかと思う。もちろん、それぞれ真っ当な意見だと思うし、これらの意見に対して反論しようとも思わない。

1) 中東などフランス以外の方がテロの犠牲者は大勢いるし、大規模な事件もあった。そういう時には何もしなかったのに、何でフランスの時だけそうするのか?中東の人達は犠牲になっても平気なのか?

2) 自爆テロ犯は許さないのにシリアを空爆するフランス軍および政府は許すのか?

(他にもいろいろ論点があったかもしれないけど、読んでない記事もたくさんあるし、意図を汲みきれてないものも多いと思うので、自分に理解できたのはこのくらい。)

1) に関しては、自分がフランスのテロ以外の事件で何も行動を起こさなかったのは、自分にとっては今回のフランスでのテロほどのインパクトが無かった、というのが正直なところ。自分にとって、やはり中東の存在感は欧米に比べて、まだまだ小さいと思う。
ヨーロッパの音楽は好きだけど中東の音楽はほとんど知らない。「ボンジュール」とか「メルシー」は(発音の良し悪しは別として)言えるけど、アラビア語は全く知らない。BBC や CNN はたまに見るけどアルジャジーラは全く見ない。結果的に情報量だって大きく変わる(注1)。将来的にはこういうギャップは小さくすべきなのかもしれないし、中東やアジア、アフリカなど、欧米以外の人達とも仲良くやっていきたいと思っているが、現状ではどうしてもギャップというか偏りはある。
結果として、中東のどこかの国で何か事件があったときも、具体的な行動は何もしなかった(注2)。赤十字に寄付くらいした事はあったかな?忘れた。

上の 1) のような論調の記事をいくつか読んだとき、若干の後ろめたさを味わった。言われてみればその通りだ。フランス人が 100 人死んだ時と、レバノン人が 100 人死んだ時とでは、フランス人が死んだ時のほうがインパクトが大きかった。という事は、俺にとってはフランス人の命のほうがレバノン人の命よりも重いんだな。ひどい奴だよな俺は。
そういう偏った自分と改めて向き合って、それなりに考えたけれども、そんな後ろめたさを理由にして、フランスの人達を応援したい気持ちにブレーキをかける必要は無いと思った。だからトリコロールを外さないことにした。

2) について。もちろんフランス政府による空爆は行うべきでないと思う(このタイミングで空爆をやめたらテロリストの思う壺、みたいな駆け引きの話は別)。別にトリコロールを使ったからといって、フランス政府がやること全てに賛成という意味ではない。犠牲になった方々や、その関係者の方々、フランス国内で悲しみに暮れている方々の総体を象徴するものとしてフランス国旗が使われているだけ。フランス国旗以外に代案も無いし、Facebook が用意してくれたから使った。それだけの話。
東日本大震災のあと、世界中で大勢の人達が日の丸を使って勇気づけてくれた。あの時の日の丸は「日本人」に対して使われていたのであって、当時の政権を支持するという意味ではなかったと思う(そういう意図で使っていた人もいたかも知れないが)。それと同じだ。

上の 1) にしても 2) にしても、自分より広い視野で、より公平中立なものの見方ができる人の意見なのだと思う。それに比べたら自分は偏っていて、バランス感覚を欠いているかも知れない。しかし誰だって人それぞれ何らかの偏りはある。中立やバランスばかり気にしていたら何も言えなくなってしまう。それなら自分は、多少間違っていても、批判されることがあっても、自分の思うところを表現し続けたいと思う。

まさかアイコンひとつでこんなことを考えるような事態になろうとは思ってもみなかった。


注1)事件後しばらく BBC や CNN の臨時ニュースを見ていたので、映像のおかげで余計に印象が大きくなった可能性はある。そういった意味では、あまり報道されなかった(らしい)地上波を見続けていたほうが、むしろニュートラルでいられたかも知れない。

注2)もしシリアやレバノンでテロが発生した時に、Facebook が同じような機能を提供したら、使ったかも知れない。そういう小さなきっかけの有無によっても行動は変わる。この点(なんで中東でテロが発生した時に Facebook は同じようなことをしなかったのか?)を追求していた記事もあったが、Facebook にそこまで公平さ、中立さを求めるのも如何なものかと思う。いくらユーザー数が増えたとはいえ、アメリカの一企業なんだから。