(本の性格上「読書メモ」というタイトルを付けるほど読んではいないのですが…..。)
これを買ったのは、確か 2 年ほど前に仕事で広島に行ったときです。
前泊が必要なスケジュールだったので、どうせ前泊するならと前日の朝に出発して、広島平和記念公園に行き、広島平和記念資料館や国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を見学しました。そのとき帰りがけに広島平和記念資料館の売店に立ち寄った際に目に止まったのが、この本です。
この本には 2016 年 5 月 27 日にオバマ大統領(当時)が広島を訪問した際の演説に加えて、2009 年 4 月 5 日にプラハで行われた、核兵器廃絶を訴える演説が収録されています。英語の原稿とその和訳(見開き対訳)が収録されており、これが録音された CD も付属しています。さらに購入後にこの本の PDF 版をダウンロードできるようになっています。
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実は大昔に野口悠紀雄先生の『超英語法』という本を読みました。この本から学んで役に立ったことはたくさんありますが、全て実践できたわけではありません。そして、この本で推奨されている勉強法なかで私が実践しなかったことのひとつが、「アメリカ大統領の演説を丸暗記する」という方法でした。
なぜこの方法が良いのか、理由を知りたい方は、野口先生の本を読んでいただければと思いますが、もともと暗記モノが苦手な私は、良い方法だとは思いながら手を出せずにいました。
そんなことが何年も前からずっと引っかかっていて、いつかはやらなければと思っていたところで、この本を見つけてしまいました。
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とりあえず耳から入ろうと思って、車に乗るたびにこの CD を何十回も聞きましたが、もともとリスニングが苦手なこともあって、あまり頭に入りませんでした。ひとつだけ言い訳をさせていただくと、広島での演説は話し方が非常にゆっくりで、フレーズの途中でもブツブツ区切って話しているので、原稿を見ずに聞いてるだけだとセンテンスの切れ目が分かりにくく、私には正直つらいと思いました。
しかし改めて原稿を読んでいくと、被爆者に寄り添いながら、世界平和や核兵器廃絶を目指す決意を語る、優しくも力強い演説だと分かります。これは暗記する価値があります(できるかどうかは……)。
まさかこの演説の翌年に、このような思慮深い演説ができそうもない人が大統領になるとは思ってもいませんでしたが。
なお、個人的には後半のプラハでの演説のほうが断然聞き取りやすいと思いました。広島の演説と違ってブツブツ切らずに、テンポよく話されているからだと思います。また広島の演説のように厳粛な場ではなかったと思われ、聴衆の歓声(特に女性とおもわれる声)や拍手も入っていて、盛り上がっている感じも面白いです。
特に終盤に向けてだんだんヒートアップしていって、最後に「Together we can do it.」と締めくくるところで盛大な拍手喝采となる部分は、なかなか感動的です。これも丸暗記したい。
【書籍情報】
CNN English Express 編集部(編)(2016)『オバマ広島演説』朝日出版社