Windows 10 でスリープしなくなったノートパソコンへの対処法

備忘のために、自分にしては珍しく Windows の話題など。

職場で使用している Panasonic Let’s Note(CF-SX3)は、もともと Windows 8 がプリインストールされていたマシンに Windows 10 をインストールし直したものらしいが、シャットダウンしても電源スイッチのランプが消灯しないとか、ディスプレイを閉じてもスリープしないで電源が切れる(しかも正常にシャットダウンされない)という不具合に、出張先で気づいた。

どうしたものかと思って Google 先生に訪ねたところ、解決に繋がりそうな情報を見つけたものの、本当にこれを実行してよいのかどうか確証が持てなかった。

これら 2 つのページで書かれている方法は概ね同じで、つまり Intel Management Engine Interface Driver を Windows 8 時代のバージョンにダウングレードし、これが今後 Windows Update で更新されないように設定する、というもの。しかもダウンロード元の Intel のサイトを見ると、説明の意味をほとんど理解できない上に、対応 OS に Windows 10 が入ってない。

Windows NT 4.0 以降はデバイスドライバに手を出したことがなかったので、この作業のリスクがどのくらいかも分からず、さすがにこれは実行しようかどうか迷った。しかし同じ情報が 2 つのサイトに書いてあるし、Windows 10 新規インストール用のメディアも手近にあることも確認できたので、最悪の場合インストールし直しになることも想定して実行してみたところ、無事解決。Windows でこの手の作業は久しぶりだったので、ちょっと緊張した。

旧交を温めることの意味

昨晩は、以前に勤めていた会社で限定的ながら一緒に仕事をした人と、十年ぶりくらいに会って食事をした。会っていない間は全く連絡をとっておらず、どこで何をしていたのかも知らず、唐突に再会したにも関わらず、思いがけず深い話になったりして、ちょっと不思議な会だった。

店の雰囲気がそうさせたかも知れないし、料理やワインの選択が良かったからかも知れない。もっとも、昨日までお互いに全く関係のない世界にいたから、何のしがらみもなく話せたということも、背景としてあったとは思う。

今になって振り返ってみたら、かつて同じ会社に勤めていた頃は、こんなに深い話をするような間柄ではなかった。しかし会っている間はそんなことも忘れていて、いい酒を飲みながら終電まで話した。終電がなかったらいつまで話してただろうか。

お互い、会っていない間にいろいろな経験をして、物事の考え方とか価値観とか、いろいろ変わったのではないかと思う。それでも芯のところは全然変わってなかった。そんなことをお互いに確認していた。

普段顔を合わせている人たちとはちょっと違った視点から、自分のいいところも、そうでないところも、いろいろ気づかせてくれた。そんなこともストレートに話してくれたことが嬉しかった。

久しぶりに会って話せて本当に良かった。

映画「この世界の片隅に」を見た後に抱いた感想の理由が後からわかった

元旦に映画「この世界の片隅に」を見た。
いろいろな事を考えさせられながら見たのに、後味のいい、心に沁みる映画だった。

私はできるだけ予備知識抜きで映画を見たいと思っているので、この作品については、戦時中の広島が舞台であることと、能年玲奈(のん)が主演であることくらいしか知らなかった。そもそもこの映画を見ようと思った動機は、「どうも能年玲奈が前に所属してた事務所と揉めて、テレビに出られなくなった上に本名まで使えなくなったらしい」という馬鹿みたいな話を聞いて、能年玲奈を応援したかっただけだ。だから映画の内容なんて正直言って二の次だった。

しかし生活の描写がすごく自然なのにリアルだし、すずさんが自分とは全然違うキャラなのに程よく感情移入してた(と後から気づいた)し、この時代に生きていた事もないのに何の違和感も感じずに最後まで見てしまった。なんとも不思議な映画だったと思った。アニメにしろ実写にしろ、こういう映画って今まで見たことなかった(って偉そうなこと言うほどたくさん見てないけどな)と感じつつ、どのへんがユニークだったのかイマイチ分からなかった。

ところが見た後で、こんな記事があった事を知った。読んだら全て合点がいったような気がした。

日経ビジネス ONLINE インタビュー『「この世界の片隅に」は、一次資料の塊だ – アニメーション映画「この世界の片隅に」片渕須直監督(前編)』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/230078/120600064/

日経ビジネス ONLINE インタビュー『「本来は、アニメは1人で作れるものです」 – アニメーション映画「この世界の片隅に」片渕須直監督(後編)』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/230078/120600065/

つまり、たぶん今まで私が見た映画とは比較にならないくらい、徹底的にディテールにこだわっているのだ。しかも一次資料を追いかけまくって、事実がどうだったのかを追求している。当時の服装や街並み、すずさんの家の場所、高射砲の流れ弾が届きそうな範囲まで検証されている。「神は細部に宿る」とはこういう事を言うのか。
印象的な場面はいくつもあった。例えば終戦が近くなってきて呉への空襲が増えてきた頃に、「七月○日 ○時 空襲警報発令」「○時 空襲警報解除」「七月×日 ×時 空襲警報発令」…というようなリストが延々と続くシーンがあった。我々は既に 8 月に広島に原爆が投下されることを知っているから、なんだか原爆投下に向けたカウントダウンのようで気が気でなかった。あのリストもきっと記録に基づいて書かれていたんだろうと思う。他にも書きたいシーンは山ほどあるんだが、いずれにしても、事実に裏打ちされた迫力が伝わってきたのだと思う。

もちろん能年玲奈(のん)も素晴らしかった。私はほとんどテレビを見ないので、彼女がドラマとかでどういう演技をしていたのか全く知らないが、もはや「すずさん」はこの人でないと表現できないと思えてしまう。もうテレビなんか出なくていいから、映画とか舞台とかで頑張っていただきたい。

ところで、この映画の製作にとりかかるのがビジネスとしていかに難しかったか、下記リンク先の記事を読むとよくわかる。こういう、売れ線じゃないけど良い映画を、これからも見られるといいんだが。

日経ビジネス ONLINE インタビュー『映画「この世界の片隅に」に勝算はあった?』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/284031/120100018/

古い MacBookPro に Linux で延命措置

処理能力が落ちてしまって一旦お蔵入りにしていた古い MacBookPro を、論文書き用と割りきって必要最低限の構成でインストールしなおして、研究室に置いて使っていたが、いよいよ OS のアップデートを躊躇するような状況になってきた。

OS をアップデートしないのはセキュリティ上よくない(他人に迷惑をかける可能性もある)し、論文書きを LaTeX で、データ処理とグラフ作成を Python + pandas + MatPlotLib で行うようになってきたので、この際 Linux にしたほうが合理的なのではないかと考えた。

一応 OSX の環境も残せるに越したことはないので、OSX と Ubuntu のデュアルブートにしようと思ったが、ディスクに何らかのエラーがあるようで、Mac のディスクユーティリティでパーティションを切れない(かつエラーも修復できない)。どうせ HDD に問題があるなら、と思い切って OSX を消して Ubuntsu 専用機にした。

ちなみに Mac の仕様は次の通り。

動作確認も兼ねて、年明け以降の 3 日間はできるだけ(twitter や Facebook なんかも含めて)メインの Mac を使わずに Linux だけで生活してみたが、概ね問題なさそう。今のところちょっと残念なのは次の 2 点くらい。

  • 1Password が使えない。
  • トラックパッドの感度が良すぎて、タイピング中に親指の付け根に反応してカーソルが変なところに飛んでしまう。

前者については Linux 対応アプリが無いので止むを得ない。今までが便利すぎたと割りきるしか無い。
後者については、とりあえず紙を貼ってトラックパッドの有効面積を狭くしてみた (^_^; 。いまいちスマートじゃないし、これでも完全に解決できたわけではないが、無いよりマシ。

きっと Mac では OS(というかドライバ?)の方で、ハードウェアの感度が高くても使いにくくならないように、うまくチューニングしてたのだと思う。Apple ってこういうところを真面目に作りこんでるんだな、と改めて感心した。

でも全体的に動きは軽くなったし、起動もシャットダウンも速くなったので、これら 2 つのデメリットを上回るメリットを感じている。

備忘も兼ねて、今回実施した作業をまとめると次の通り。例によって先人の知恵を全面的にお借りして、無事に作業完了。

  1. SD カードに Ubuntu インストール用ディスクイメージを書き込む
  2. rEFIrd をインストールして SD カードから起動できるようにする
  3. SD カードから起動して Ubuntu をインストールする
  4. Ubuntu 起動後に SD カードから WiFi のドライバを探してコピーする
  5. 再起動して WiFi が使えるようになったら自宅無線 LAN に繋ぐ
  6. 全てのパッケージをアップデートする(sudo apt-get update && sudo apt-get upgrade)(これだけで1時間くらいかかった)
  7. Chrome をインストールして、これをデフォルトブラウザにする
  8. 日本語入力とキーマッピングを設定するキーボードレイアウトが US 仕様(例えば「@」が Shift+2 になってる)から変えられなくて、しばらく困った。下記サイトに書いてある方法を参考にしながら、設定 –> 再起動を何度か繰り返して試行錯誤したら、いつのまにか解決してた (^_^; 。最終的に何が問題だったのかは不明。
  9. Dropbox のインストール
    公式サイトに書いてあった手順に従う。ただし .deb ファイルをダウンロードして開いても何も起きなかったので、公式サイトに書いてある「コマンド ラインを使った Dropbox のヘッドレス インストール」を実施した。あっさり成功。
    サーバとの接続も、既存アカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、iPhone の認証コードアプリで取得した 6 桁コードを入れれば問題なく完了。
    ホームディレクトリの .profile に dropbox デーモンを起動する行を追加。
  10. Anaconda をインストールするUbuntu をインストールした時点で既に Python はインストールされていたので、IPython や各種ライブラリを入手するために Anaconda をインストールする。公式サイトから 3.5 version の 64-bit installer をダウンロードして実行。
    https://www.continuum.io/downloads#linux
  11. LaTeX をインストールする
  12. IPA 日本語フォントをインストールして LaTeX と Python(MatPlotLib)で使えるように設定する
  13. GIMP をインストールする

以下、今回の作業で活用させていただいた先人の知恵(おおむね参照順)。こうして見ると、いかにキーマッピングでハマったかが分かる (^_^; 。

OS X El CapitanとUbuntu 16.04 LTSのデュアルブート環境を構築する
http://ottan.xyz/el-capitan-ubuntu-dual-boot-4020/

El capitanにrEFIndを導入するとき – Qiita
http://qiita.com/yuki_bg/items/61ecf0b8a2d84823c365

MacBookでUbuntuを使うためにしたことまとめ – Qiita
http://qiita.com/shima_529/items/43ef699215f9cec48fd2

UbuntuのmozcでUSキーボード入力/JISキーボード入力を簡単に切り替える方法
http://qiita.com/AnchorBlues/items/beeb40593fd4c579dbe5

Qiita: MacでUbuntuを快適に使う
http://qiita.com/RyoheiMorimoto/items/a82369a83c100a646cce

Qiita: ubuntuで日本語入力を行う
http://qiita.com/shishamo_dev/items/238f6e5060fb838827f6

UbuntuでMacのキーボードを使う時の設定
http://qiita.com/DeliciousBar/items/4db21c3d66dc65f9e78b

Dropbox を Linuxサーバでも使うときにやるべき設定
http://qiita.com/yudoufu/items/163f9c9b6b9fa2f4bf9e

Ubuntu 16.04LTS にLaTeX をインストール
http://qiita.com/seki0913/items/fe9a50ea11c716d76514

Qiita: モダンな日本語 TeX 環境を整える
http://qiita.com/ynakayama/items/706ae9e59c1b6fd3e3d2

Ubuntuで端末からスクリーンショットを撮る方法まとめ
http://qiita.com/yas-nyan/items/80f2db8c4bdf4c8e87b8

keisukeのブログ【matplotlib】日本語の設定
http://kaisk.hatenadiary.com/entry/2015/02/15/215831

 


(2017.1.9 追記)
大学院のネットワークに接続したらアップデートで「ハッシュサムが適合しません」というエラーが連発して、アップデートができなくなったが、これまた先人の知恵を借りて速攻解決 (^_^) 。

「Ubuntuのapt-get updateで「ハッシュサムが適合しません」と出た時の対処法」
http://www.nemotos.net/?p=1428