今までで最も使えるテキスト文字起こし環境が実現(しかも無料)

Word と Copilot を組み合わせて音声ファイルから文字起こしをできると知ったので試してみましたが、自分が契約している Microsoft365 では条件を満たしておらず使えませんでした。他にテキスト起こしの方法がないか ChatGPT に訪ねたところ、Open AI の Whisper をローカルで実行する方法に行き当たりました。

(本当は Whisper をブラウザで実行する方法もあるものの、現時点ではエラーになったため使えず。)

コマンドラインに不慣れな方にはお勧めできませんが、出力結果はこれまで(有償のも含めて)使ったことがある文字起こしソフトなどと比べて格段に良く、打合せの録音をテキスト化するなど仕事で十分使えるレベルで、大変助かります。出力されるテキストファイルにも細かくタイムスタンプが入っていて便利。

以下、自分用のメモ。なお macOS Sequoia 15.5 です。

 

インストール方法

1) FFmpeg と Python をインストールする(これは既にインストールされてた)

2) 仮想環境を作成する

python3 -m venv whisper-env
source whisper-env/bin/activate

3) pip をアップグレードする

pip install --upgrade pip

4) Whisper をインストールする

pip install git+https://github.com/openai/whisper.git

 

使用方法

python3 -m venv whisper-env

source whisper-env/bin/activate (仮想環境に入る)

whisper (音声ファイル名) --language Japanese --model medium

 

作業終了後に deactivate で仮想環境から抜ける。

 


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カテゴリー: IT, Mac

Claude Gordon の教則本に今さら出会った

最近、Claude Gordon の教則本に取り組み始めて、少し見えてきたことがあるので、一旦まとめておこうと思います。

きっかけは杉山正先生の YouTube を見たことで、それまでは Claude Gordon という人のことも知りませんでした。Trumpet 関係者なら誰でも知ってる人なんですかね。

どの動画だったか忘れましたが、これは自分にとってヒントになったなと思った動画の概要欄に、『金管演奏の原理とその考察』という杉山先生の書籍が紹介されていたので、とりあえず買ってみました。

この本は Claude Gordon の『Brass Playing is No Harder Than Deep Breathing』という本の邦訳に、杉山先生による考察が加えられた本のようで、私にとって非常に多くの示唆が含まれていました。特に金管楽器を演奏するうえで最も基本的な部分である、唇の使い方と息については、私自身のこれまでの奏法と全く違うことや、これまで考えることすらなかったことなど(中には「本当にそうなのか?」と疑いたくなるようなものも含めて)多くの記述がありました。

しかしながら、この本は文章による説明が中心なので、この本を読むと当然ながら具体的な練習方法を知りたくなりますし、仕事の影響からか、正しく理解するためにはオリジナルを読むべき(もしくは、オリジナルを読んだほうがより深く理解できる)と考える癖みたいなのがあって、オリジナルの『Brass Playing is No Harder Than Deep Breathing』を Sheetmusic Plus で購入しました。

届いた現物を見ると、『Brass Playing is No Harder Than Deep Breathing』の本文は 35 ページしかありません。判型が違うとはいえ、杉山先生の本が 133 ページもあったので、対象的な薄さにちょっと驚きましたが、やはり読んでみると、原文を読んでわかるニュアンスみたいなのもあって、より腑に落ちる感じがありました(杉山先生の訳が悪いという意味ではなく、どんな訳本でも原文から伝わるものがあるということ)。

しかし具体的な練習方法については、「***** という教則本の ** ページをやれ」というような書き方になっているので、この本で参照されている多数の教則本の中から特に頻出する 2 つを追加購入しました。在庫の都合で右側の青い方はヘ音記号版ですが、まあ私はどちらでも読めますので問題なしということで。

もちろん、自分の英語力では十分理解できない部分もありますが、そこは杉山先生の本に戻ってみることで確認できますし、また杉山先生の YouTube (下記リンク先)でもこれに基づいた説明をされている動画がありますので、これらを参照すればまず誤解なく理解できるのではないかと思います。

Masashi Sugiyama’s Brass Lesson

まだまだ最初の方しかやってませんし、これらの教則本を全部練習するには相当な期間がかかると思います(実際、そのくらい時間をかけて取り組めと書いてあります)。しかし、説明を読みながら少しずつ取り組むことで、より具体的に分かってきたことや、自分の奏法に少しずつ好影響が及んできたこともあります。

例えば息の使い方について、「Chest up」と繰り返し書かれていますが、これも自分で練習の中で意識し続けることで、ようやく少しずつ意味や効果が分かってきたという感じがします(まだ本当は分かっていないのかもしれません)。

また「Forget the lip」も繰り返し登場するフレーズで、最初は「アンブシュアのことを考えないなんて無理」だと思いました。しかし説明を読みながら繰り返し練習するなかで、これまでは正しいアンブシュアで吹くべきだということを意識しすぎていたのではないかと思うに至りました。正しいアンブシュアを作ろうとするよりも、いい音がうまく出たときのアンブシュアが、今の自分にとっての最適なアンブシュアであり、それを再現できるように繰り返し練習することのほうが大事なのではないか、というのが現時点での自分なりの理解です。こういう考え方が間違っていないのであれば、「Forget the lip」というのも納得できますし、練習するときの気持ちの持ちようがいくらか楽になります。

いずれにしてもまだ始めたばかりなので、自分なりに試行錯誤しながら地道に取り組んでいこうと思います。

 

もし自分が若かった頃にこれらの教則本に出会っていたら、とも思いましたが、私が中学生〜高校生くらいの時期は外国の教則本を買うこと自体が難しかったと思いますし(銀座ヤマハあたりに行けば買えたのか?)、20 代の頃はこのような本を英語で読む気にはならなかったと思います。30 代の頃の自分がこれを読んでも、書かれていることの意味を自分の経験に照らしあわせて理解することは難しかったように思いますし、そもそも 40 代のころは、こういう教則本を読む必要性を感じていなかった(ソコソコ吹けてた)などということを考えると、50 代になった今の時期に、出会うべくして出会ったのだろうと思います(そういうことにしたいと思います)。

 

【書籍情報】

Claude Gordon(2018)(杉山正 監修)『金管演奏の原理とその考察』虹色社

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