Adam Frey 先生の Master Class と Focus Class 受講

昨晩は International Euphonium Tuba Festival 2020 の最終日でしたが、昼間に行われた外囿祥一郎先生のスペシャルクラスには所用のため参加できず、日本時間で深夜 0:00 から行われた Adam Frey 先生の Master Class を聴講しました。

Adam 先生のレッスンで面白かったのは、Audacity を使って自分自身や受講者の演奏を録音し、その波形を説明に使っていたことでした。

上の画像は Adam 先生自身が演奏した音の波形ですが、このときはこの画像を使って音が減衰する様子を説明していました。受講者の演奏では音の終わり方がブツっと切れるような感じになっていたのですが、そのような違いが目で見て分かるように示すというのが新鮮でした。

このような方法を使うことには賛否両論あるかもしれませんが、アコースティックな楽器のレッスンにおける IT の使い方として面白いと思いました。

続いて深夜 2:00 からは Focus Class で、2 つのセッションがありましたが、私は Adam Frey、James Gourlay、Aaron Tindall という 3 人の講師による「Instrument Doubling」というセッションを選んで受講しました。これは複数の楽器を掛け持ちすることに関する議論で、3 人とも Euphonium と Tuba との両方を、また Adam 先生に関しては Bass Trumpet や Tenor Horn なども含めて演奏してきた経験をもとに、様々な議論がありました。

受講者にはプロを目指している方も多かったと思われるので、複数の楽器ができたほうが将来のキャリアに有利かどうかという観点もあり、自分には関係ないものの興味深い話題でした。

私から Trombone と Euphonium との間でスムースに切り替えるコツはあるかと質問させていただいたところ、できればマウスピースのリムを同じものに揃えることと、リムが同じだとしても音のコンセプトが全く違うことをしっかり意識すること、という回答がありました。いずれも私自身が既に実践している事ではありましたが、プロの方々から同じ見解をいただけたことで自分の実践が裏付けられ、確信が深まって良かったと思います。

今日でイベントの全日程を終了しました。深夜ということもあって、参加できたセッションも限定的でしたが、ここでしか得られなかったと思われるものも多く、私にとっては実りの多いイベントだったと思います。

なお、今回は特別に日本人向けに、日本で参加しやすい時間帯の、日本語字幕や通訳付きのプログラムも用意されたのですが、そちらの方は三浦徹先生のセッションしか参加できませんでした。逆に、米国時間で行われたセッションでは、私が参加したセッションにおいて日本人と思われる名前の参加者はほとんどいませんでした(たまに 1 〜 2 名見た程度)。今回は日本からも 30 人くらい参加されたというような話を聞きましたが、多くの方々は日本人向けプログラムに集中されたのかもしれません。もしくは、深夜のプログラムに関しては後で YouTube にアップロードされるのを見れば十分と思われたのかもしれません。個人的には、こういう場に積極的に参加する日本人がもっと増えると良いなぁと思うのですが、当分はまだ難しいですかね……。