安東京平先生の Euphonium レッスン受講(2回目)

およそ半年ぶりに安東先生のレッスンを受けることができた。

場所は新桜台の駅から徒歩 1 分ほどの「スタジオ 1619」(http://www.studio-1619.com/)というスタジオ。クラシック専用で、ロビーも広くて落ち着いた感じの、使い心地の良いスタジオ。

前回のレッスン同様に呼吸法のエクササイズと、それを使って音(というか楽器を吹いた感じ)がどう変わるかをいろいろ試すような練習が中心になった。息の量が足りないという事実自体は前回のレッスンから大して変わらないのだが、今回のレッスンでは息の使い方のイメージがより具体的になった。図にするとこんな感じ。

自分の理解では、自分の吹き方と安東先生の吹き方との最大の違いは、中立点(こういう言い方が正しいかどうか分からないが便宜上こう呼ぶ)の下をできるだけ使わないということ。

まず呼吸法のエクササイズでは、できるだけたくさん吸って、できるだけ全部吐ききる、という動作を繰り返す。このエクササイズで、いっぱいまで吸ったところで息を止めたときに感じる圧力は、体が(風船と同じように)萎もうとする力。安東先生はこの圧力を演奏で使うという。

試しに自分でもやってみた。ゆっくり大きく息をを吸って、体が萎もうとする圧力で息が出ている間は、中音域(第3倍音のFくらい)なら腹筋に力を入れなくても、楽器を鳴らすために必要な息が出る。また、中立点より下まで息を吐きながら音を出そうとすると、腹筋に力を入れざるを得ない。どういう音色になっているかは分からないが、吹いている時の感覚としては、腹筋に力が入ると音が固くなるような感じがした。

なお、中立点の下まで使って音を出した直後に話そうとすると、息が出なくて声にならないが、主に中立点の上だけで音を出した直後だと、普通に会話するくらいの息が残っているので、ちゃんと声が出る。これを安東先生が実演してくれたときに、上の図のようなイメージがはっきり分かった。

しかしながら、こういうことを考えながらやると、体に変な力が入ってしまう。息を吸う時に体に力が入ると音が固くなるということも指摘されたので、考えなくても自然に深く息を吸えるように練習する。

もう一つ、息の使い方に関連して先生から指摘されたのは、息を吸ってから音を出すまでの間がスムースでないということ。ゴルフのスウィングに例えると、振りかぶった腕が頂点で一旦止まってしまっている。本来はこれが止まらずに、自然にそのまま振り下ろされるのが良い。自分の場合はここでアンブシュアを作ろうとして、アクションが一度止まってしまっている可能性がある。

先生の感覚では、「アパーチュアは作るけどアンブシュアは作らない」(音域によってアパーチュアの大きさは変えるが、その時アンブシュアをどうするかは考えていない)という。

もちろん安東先生の場合は、いちいち考えなくてもアンブシュアが決まるくらい、たくさんの訓練を積み重ねてこられたと思われるので、自分がそういう境地に行けるまでには相当時間がかかるかもしれない。しかし、振り下ろし方に応じた振りかぶり方を意識すること、振りかぶりから振り下ろしにいく一瞬だけ、アンブシュアよりもアパーチュアに集中すること、振りかぶった頂点からスムースに振り下ろすことは、今後の基礎練習のときに意識していきたいと思う。