最近 DeepL という自動翻訳が Google 翻訳より賢いと話題なので、少しずつ試しています。
自分が使ってみた印象としては、英語 –> 日本語の翻訳を行った場合に、翻訳結果の日本語が Google 翻訳よりも、より自然な日本語になっていると感じます。しかし個人的には、DeepL の良さは、翻訳の質よりもアプリケーションの使い勝手だと思います。
DeepL には Windows/macOS 用アプリがあります。これをダウンロードしてインストールすると、ホットキーで翻訳アプリを呼び出せるようになります。
Web ブラウザやテキストエディタなど任意のアプリで翻訳したいテキストを選択した状態で、Mac なら Cmd + C、Windows なら Ctrl + C を 2 回押すと、翻訳アプリが起動して、選択したテキストが自動的に入力され、翻訳結果が表示されます。これが超便利。
一度使うと他の翻訳ソフトを使うのがとたんに億劫になってしまうという、なかなか破壊的な便利さがあります。大昔に Windows で使っていたことがある、Babylon というイスラエル製の翻訳ソフトを思い出しました。あれも便利だったなぁ……。
便利なので仕事でいろいろ試してみましたが、個人的には若干難があるかなと感じました。その理由は、期待を超えて頭が良すぎる場合があることです。
例えば、「due diligence」を Merriam-Webster で検索すると、意味が次のように表示されます。
research and analysis of a company or organization done in preparation for a business transaction (such as a corporate merger or purchase of securities)
これを Google 翻訳にかけると次のようになります。
商取引(企業の合併や証券の購入など)の準備として行われた会社または組織の調査と分析
ところが DeepL ではこのように訳してくれました。
企業調査分析
一般的には、DeepL の翻訳結果のほうが、より賢い訳というか、高等な訳し方なのかもしれません。しかし僕はそういう仕事は求めていません。要約や意訳は自分の判断でやりたいので、機械翻訳では解釈を入れずに原文に忠実に訳してほしいんですよね。
さらに、自分の場合は、自分の英作文結果が正しいかどうかを機械翻訳でチェックするという変な使い方をしているので、原文の欠点を補ってくれる(しかも、どこを補ってくれたか分からない)のは困るのです。
まあ、こんな変な使い方をする人はあまりいないと思いますので、基本的にはよくできた翻訳ソフトだと思います。自分としては DeepL の頭の良さに甘えすぎないように注意しながら、いくつかの翻訳ソフトや辞書などを使い分けることになりそうです。