読書メモ『戯曲 福島三部作』(谷賢一)

タイトルに「読書メモ」とは書いてありますが、実は「読書」というほど読んでませんし、何なら「読書」するために入手した本ではありません。

2019 年に突如として観劇に目覚め、訳も分からず最初に観た舞台が劇団「DULL-COLORED POP」の「あつまれ!『くろねこちゃんとべーじゅねこちゃん』まつり」で、その流れで同劇団の「福島三部作」に、すっかりハマってしまいました。全部で何回観たか分からなくなりました。

三作とも劇場で台本を購入し、出演者の方のサインまでいただいたりして、大事にとってありますが、これが書籍として出版されることを、劇場で配布されたチラシで知ったので、早速予約購入しましたので、私の手元には谷さんのサイン入りの本があります。

劇場で台本を購入したときには、大量に脚注が付けられていたことに驚きました。これは著者の谷氏がこの台本を膨大な取材に基づいて書き上げられたからであり、ストーリーの元になった事実やセリフの裏にある背景事情などが詳細に記述されています。台本としてだけでなく、資料としての価値があるのではないかと思えるほどです。これらの脚注も全て、この本にも収録されています。

この本を読むと、劇場で何度も舞台を観たときのことを思い出します。もちろん台本には書かれていない演出も含めて、舞台の情景が鮮明に蘇ってきますので、あちこちのセリフを読むたびに、舞台を思い出してニヤニヤしてしまいます。そういう演劇の楽しみ方を教えてくれた谷さんはじめ DULL-COLORED POP の皆様には本当に感謝しています。

また劇場に、演劇を観に行きたいと思います。

 

【書籍情報】

谷賢一(2019)『戯曲 福島三部作』 而立書房

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