MacBook Pro 用 Dock 導入(j5create JCD543)

外出先や出張などでも使う MacBook Pro を事務所で使う際に、USB HUB を介して外部モニターやキーボードなどを繋いでいましたが、USB ポートが横にあるのでケーブルの取り回しが煩雑になっていましたし、ケーブルやコネクタに無理な力がかかってしまう懸念がありました。

そこでケーブル類が全て背面方向に出る形の Dock として、j5create JCD543 を購入しました。昔からの Mac ユーザーとしては PowerBook Duo の Mini Dock と似たような感覚です。

現状は左から順に、外部モニター 1 台(古いやつなので D-Sub)、キーボード/マウス、Web カメラ、ヘッドセット、電源アダプターを繋いであります。

この製品は別に MacBook Pro 専用という訳ではなく、USB-C ポートがある薄型ノート PC なら概ねどこの機種でも使えるものなので、横幅がぴったり揃っている訳ではありません(実は同じ幅だろうと勝手に期待して買いました)。

今のところ何の不具合もなく快適に使っていますが、一点だけちょっと引っかかっているのは、ドライバーのインストールが必要だったことです。しかも環境設定で、画面のレコーディングを許可しないと、外部モニターが認識されないんですね。

これを許可するのは何となく気持ち悪いのですがやむを得ません。恐らく、この製品は外部モニターを 3 台接続できる機能があるので、それを実現するためのドライバーなのだと思いますが、私のように 1 台しか繋がないなら、ドライバーなしでも 1 台は繋がるという選択肢もあると良いなと思いました。

ちなみに外出先などで使用している、同じ j5create の JCD384 は、ドライバー不要で外部モニター(HDMI および D-Sub)に出力できます。

車の室内臭がようやく解消した(たぶん)

ずいぶん前から車の室内がカビ臭い感じで辟易していたのですが、ようやく解消のメドが立ちました。

当初は原因がなかなか分からず、いろいろな脱臭剤などを試したのですが、どうやらエアコンが原因らしいということが分かったのが一年くらい前だったかと思います。今の車に乗り始めて 11 年目になりますが、ここまで長く同じ車を所有していたことがなかったため、このような経年劣化に関する問題をあまり知らなかったことも、原因にたどり着くのが遅れた原因のような気がします。

エアコンのエバポレーターにカビがはえているのが原因らしいのでディーラーに相談したところ、この車種(プジョー 207)はエバポレーターがかなり奥の方に取り付けられているので作業できないとのこと。某大手カー用品店にも電話で聞いてみましたが、車種を伝えたところで門前払いとなりました(車種が問題だったのか、輸入車だからできないと言われたのかは忘れました)。

どうしようかと思っていたら、輸入車のエバポレーター洗浄をやってる会社をたまたまネットで見つけました。電話して聞いてみたところ対応可能とのこと。輸入車の中でもプジョーは特に面倒らしいのですが、作業実績があるとのことでした。

本来は出張作業で対応してもらえるのですが、うちの駐車場は狭くて作業スペースがないと思われたので、本店にお邪魔して作業してもらうことにしました。

作業を予約してから作業当日までの間にエアコンフィルターを購入。正規品(Bosch 製)だと 7 千円以上するようですが、Amazon で見つけた互換品で 3,858 円(送料込み)。

作業は 2 時間程度で無事完了しました(他の車種なら 1.5 時間くらいらしい)。作業中の写真は撮りませんでしたが、助手席側から潜り込んで、薬剤を使って高圧洗浄したようです。

帰り道の運転中は従来のカビ臭さを感じなかったので、おそらく問題が解消したものと思います。

まだ確信を持てていないのは、当日の運転中はまだ薬剤のものと思われる臭いが若干残っていたからで、次に運転したときに臭いがなければ、無事解消と言えるかなと思います。

読書メモ『新型コロナウイルスの真実』(岩田健太郎)

著者の岩田先生が本書のタイトルにどのような意味を込められたのかは分かりませんが、本書に新型コロナウイルスの真実がバッチリ書いてある訳ではありません(書けるわけがありません)。ですから個人的には、ちょっとタイトルに胡散臭さを感じ、最初は買うつもりがありませんでした。

しかし twitter で本書の内容に言及された投稿があったので(具体的にどのような投稿だったかは忘れました)、あらためて買って読んでみたところ、新型コロナウイルスの真実を知るために必要な知識や考え方などが書かれていることが分かりました。

本書の構成は次のようになっています。

  • 第一章 「コロナウイルス」って何ですか?
  • 第二章 「あなたができる感染症対策のイロハ
  • 第三章 ダイヤモンド・プリンセス号で起こっていたこと
  • 第四章 新型コロナウイルスで日本社会は変わるか
  • 第五章 どんな感染症にも向き合える心構えとは

第一章と第二章は、新型コロナウイルスやその感染症対策、さらにはその前提として必要な感染症全般に関する基礎知識が、専門外の人にも分かるように解説されています。

最近は新型コロナウイルスの流行状況や対策方法に関する情報が Web やマスコミなどから大量に流れてきますし、対策方法や政府などの施策に関する議論や論争もあちこちで行われていますが、本書の内容を知っている人と知らない人とでは、情報の受け取り方も変わるでしょうし、議論も噛み合わないのではないかと思います。

例えば、日本でもっと PCR 検査を増やすべきだという主張が多く見られます。そのような主張をしておられる方々が、本書に書かれているような基礎知識を持ち合わせているかどうかは、かなり疑問です(ということも本書を読んで分かりました)。

少なくともマスコミで新型コロナウイルスに関する記事を書いたりテレビで話したりするような人は、少なくとも本書の第二章までは読むか、これらの範囲に相当する知識を身に着けていただきたいと思います。もし「岩田先生の話だけを鵜呑みにするのもいかがなものか?」と思われるのであれば、他の専門家が書いた本を並行して読まれればいいと思います。それで少なくとも話の前提が変わるはずです。

ただし、この本は 3 月中旬までに書かれた本なので、新型コロナウイルスに関しては、これ以降に分かったことが反映されていません。この点には注意して読む必要がありますし、4 月以降に判明したことは読者自身の責任で知識をアップデートすべきであろうと思います。

また第三章では、集団感染の現場となったダイヤモンド・プリンセス号で岩田先生自身が見た状況をもとに、感染管理のためにすべきこと、やってはいけないことが書かれています。なお、ここでは岩田先生が船に入って 2 時間くらいで追い出された経緯が書かれていますが、簡単にまとめると次のような状況だったそうです。

  1. 厚生労働省の官僚からは、DMAT の○○先生の下で働け、感染管理はやるな、と言われて船内に入った
  2. 船内に入ったら、その○○先生からは「そんな話は聞いてない」と言われて DMAT のトップの先生を紹介された
  3. DMAT のトップの先生に会ったら、感染管理をやってくれ、好きなことを全部やっていい、と言われた
  4. そこで本気で現状の問題点を指摘しだしたら、出て行けと言われた(誰からの指示なのかは不明)

以上はあくまでも岩田先生の側から見た経緯ですので、厚生労働省側に取材したら別の事情が分かるかもしれませんが(そんな取材ができるとも思えませんが)、いずれにしても、いかに情報共有ができていなかったか、指揮系統が混乱していたかが想像できます。緊急事態対応のケーススタディにも使えそうな事例のように思えました。

第四章、第五章は我々が今後どうすべきかを考えていくための内容と言えます。本書に答えが書かれているわけではなく、読者自身が自分で考えるための道標やヒントといった感じです。

世間には「答え」を手っ取り早く知りたがる方々が一定程度おられますが、本書はそういう「答え」を求める方々を突っぱねるような書き方になっていると思います。そもそも、誰も経験したことのない新興感染症のパンデミックを乗り越えるための答えが、本を読んだりセミナーを聞いたりするだけで手に入るわけがありません。ひとりひとりが知識や情報を集めながら考えていくしかないんです。そういう姿勢に共感したという意味でも、読んでよかったと思えた本でした。

【書籍情報】

岩田健太郎(2020)『新型コロナウイルスの真実』KK ベストセラーズ

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Adam Frey 先生の Master Class と Focus Class 受講

昨晩は International Euphonium Tuba Festival 2020 の最終日でしたが、昼間に行われた外囿祥一郎先生のスペシャルクラスには所用のため参加できず、日本時間で深夜 0:00 から行われた Adam Frey 先生の Master Class を聴講しました。

Adam 先生のレッスンで面白かったのは、Audacity を使って自分自身や受講者の演奏を録音し、その波形を説明に使っていたことでした。

上の画像は Adam 先生自身が演奏した音の波形ですが、このときはこの画像を使って音が減衰する様子を説明していました。受講者の演奏では音の終わり方がブツっと切れるような感じになっていたのですが、そのような違いが目で見て分かるように示すというのが新鮮でした。

このような方法を使うことには賛否両論あるかもしれませんが、アコースティックな楽器のレッスンにおける IT の使い方として面白いと思いました。

続いて深夜 2:00 からは Focus Class で、2 つのセッションがありましたが、私は Adam Frey、James Gourlay、Aaron Tindall という 3 人の講師による「Instrument Doubling」というセッションを選んで受講しました。これは複数の楽器を掛け持ちすることに関する議論で、3 人とも Euphonium と Tuba との両方を、また Adam 先生に関しては Bass Trumpet や Tenor Horn なども含めて演奏してきた経験をもとに、様々な議論がありました。

受講者にはプロを目指している方も多かったと思われるので、複数の楽器ができたほうが将来のキャリアに有利かどうかという観点もあり、自分には関係ないものの興味深い話題でした。

私から Trombone と Euphonium との間でスムースに切り替えるコツはあるかと質問させていただいたところ、できればマウスピースのリムを同じものに揃えることと、リムが同じだとしても音のコンセプトが全く違うことをしっかり意識すること、という回答がありました。いずれも私自身が既に実践している事ではありましたが、プロの方々から同じ見解をいただけたことで自分の実践が裏付けられ、確信が深まって良かったと思います。

今日でイベントの全日程を終了しました。深夜ということもあって、参加できたセッションも限定的でしたが、ここでしか得られなかったと思われるものも多く、私にとっては実りの多いイベントだったと思います。

なお、今回は特別に日本人向けに、日本で参加しやすい時間帯の、日本語字幕や通訳付きのプログラムも用意されたのですが、そちらの方は三浦徹先生のセッションしか参加できませんでした。逆に、米国時間で行われたセッションでは、私が参加したセッションにおいて日本人と思われる名前の参加者はほとんどいませんでした(たまに 1 〜 2 名見た程度)。今回は日本からも 30 人くらい参加されたというような話を聞きましたが、多くの方々は日本人向けプログラムに集中されたのかもしれません。もしくは、深夜のプログラムに関しては後で YouTube にアップロードされるのを見れば十分と思われたのかもしれません。個人的には、こういう場に積極的に参加する日本人がもっと増えると良いなぁと思うのですが、当分はまだ難しいですかね……。

Happy Hacking Keyboard is Back!

事情によりしばらく里子に出されていた Happy Hacking Keyboard が戻ってきたので、早速仕事環境に組み込みました。

事務所では Mac 2 台を並べて置いて、その間に LCD モニターを置いていますが、本体のキーボードを使う都合上、Mac を中央に向けて斜めに置き、本体のモニターをメイン、外部モニターをサブとして使っていました。今回キーボードが加わって、外部モニターとキーボードを直線上に配置できるようになったので、外部モニターをメインに使うことにして Mac を脇に寄せました。左側の空きスペースには必要に応じてもう一台の MacBook Pro を置きます。

いま実質的にメイン機になっているのは、紆余曲折の末、2012 年モデルの MacBook Pro ですが、HDD を SSD に換装して以来、テキスト入力や Office 系アプリケーションに関しては全くストレスを感じずに使えますし、Zoom 会議にも問題なく使えることが分かったので、事務所ではメイン機としての地位を取り戻しました。

また、一部の公的機関関係のシステムが Windows でしか使えないのと、お客様にお送りする資料を Windows 環境でテストしたいことがあるので、BootCamp で Windows 10 も使えるようにしてあります。

もう一台の MacBook Pro (2017 年モデル)は主に外出先や出張で使うほか、画像や動画の編集にはこちらを使います。実は 2012 年モデルの方でも GIMP での画像編集くらいはできるのですが、ディスプレイの解像度が高いマシンの方が有利なので、画像編集を行うときには左側に 2017 年モデルを置きます。

やっぱり自分に合ったキーボードを使うと、タイプミスが減りますし、キーの感触が気持ちいいので快適です。外部モニターをちょっと高めの位置に置いて、視線も上げることができたのも良いと思います。

ますます言い訳できない環境が整ってきたところで、さっさと仕事しようと思います。

Jason Casanova 先生のフレージング講座メモ

昨晩は International Euphonium Tuba Festival 2020 の中で Jason Casanova 先生による「Phrasing and Expressive Playing」講座を選んで受講してみました。

まず前半の 30 分は、事前に収録されたレクチャー動画を YouTube で視聴し、そのあとで Zoom での質疑応答に移りました。

レクチャー動画ではまず「Merriam-Webster(有名な英語辞書)で “phrase” がどう説明されているか」という、とても基本的なところから始まりました(phrase には名詞と動詞の両方の意味がありますが、ここでは動詞の方)。

次に、「Hey Mom, could I please borrow 20 Dolores to go to the mall?」と言うときに、どの単語を強調したらママのリアクションがどのように変わるか、というたとえ話を使って、フレージングの意味や重要性を説明してくださいました。ユニークでとても分かりやすい説明でした。

このような基礎の説明に続いて、Joannes Rochut の Melodious Etudes から No. 4 を題材にして、フレージングを 4 通りくらい変えて実演して下さいました。これに関しては「どれが正解という事はない」と強調されていましたが、フレージングを変えることでいかに印象が変わるのかが、とても分かりやすい実演でした。

Melodious Etudes は自分自身も取り組んでいた時期がありましたが、先日は三浦徹先生も米国留学中に Melodious Etudes に出会ったという話をされていましたし、やはり誰もが取り組む教則本なんだな、ということを再認識したので、近いうちにあらためて引っ張り出してやってみたいと思います。沢野先生の伴奏音源も持ってることだし。

三浦徹先生からあらためて刺激をいただいた

連日 International Euphonium Tuba Festival 2020 に参加して寝不足な日々が続いております。もちろん全てを聴講している訳ではないのですが、面白そうなセッションが深夜 2 時とか 3 時からというのが多いので、なかなか辛いものがあります。

しかしながら日本人向けに早めの時間帯のプログラムも一部用意されており、昨日は 18:00 からの安東京平先生のマスタークラスの後、21:00 から三浦徹先生を迎えての Legends Talk セッションがありました(内容も全て日本語)。

日本の Euphonium 奏者の道を開拓してこられたと言っても過言ではない三浦先生が、米国留学などを通じてどのように学んでこられたのか、ご本人からお伺いできたのは大変貴重な機会であったと思います。

セッションの最後の方では、Zoom 越しではありますが、短時間ながら直接お話させていただくこともでき、大変光栄でした(実は中学生の時に一度だけ会話させていただく機会があったので、これが二度目でした)。Euphonium を長く続ける秘訣について質問をさせていただき、貴重な示唆をいただくと同時に、大変刺激を受け、自分自身も決意を新たにしました。

管楽器のオンラインレッスンは意外とアリかもしれないと思った

今日は International Euphonium Tuba Festival 2020安東京平先生のマスタークラスを聴講しました。Zoom 越しで音色もずいぶん変わると思いますので、私自身はオンラインでのレッスンには懐疑的だったのですが、昨日の David Childs と、今日の安東京平先生のレッスンを聴講してみて、これはこれで意外とアリだなと思いました。

受講者は恐らくスマートフォンなどで参加されていると思いますので、音量の調節があまりうまくいってなかったり、音が割れたりすることも多いのですが、ちゃんと楽器が鳴ってる時と鳴ってないときの違いや、イントネーションの良し悪しなどは意外とはっきり分かりました。他の方の音に関してこういう言い方もナニなのですが、今回聴講してみて、自分の音がどのように先生に届くかが何となく想像できたので、マイク越し Zoom 越しでも、自分のまずいところはちゃんと指摘してもらえそうな感じがしました。

今のところレッスンなど受講する予定はありませんが、今後そのような必要性が生じたときには、有効な選択肢として考えたいと思います。

Euphonium Legends Talk

昨晩(というか早朝)3 時から、現在開催中の International Euphonium Tuba Festival 2020 のプログラムの一つとして開催された、Brian Bowman 博士、Robert Childs 博士、そして三浦徹先生という 3 人による Legends Talk を視聴しました。最高でした。

肖像権などいろいろあると思いますので、スクリーンショットの掲載は自粛しますが、私が中学生の時に Euphonium を初めたときには既に日本を代表する奏者として活躍しておられた 3 人が Zoom で一堂に会するという現場に、ネット経由とはいえ立ち会うことができました。本当に得難い経験をさせていただきました。

皆さんそれぞれご自分の経験や当時の音楽界の状況などを語ってくださいました。特に三浦先生が、日本の音楽大学に Euphonium の先生がいない時代に、三浦先生が Raymond G. Young のレコードを聴いて(よくそんなレコードが日本にあったなと思いましたが)感動し、秋山和慶先生に紹介状を書いてもらってアメリカに留学したという経緯を語ってくださったのが印象的でした。

こういう方々の活躍のおかげで現在の自分が音楽を楽しむ環境ができているという、先人のありがたさを再認識できた、貴重な時間でもありました。

読書メモ『学校では教えない 「社会人のための現代史 」池上彰教授の東工大講義 国際篇』(池上彰)

私は中学、高校とも社会科では日本史を選択したので、世界史を網羅的に勉強した事がありません。また日本史にしても、縄文時代あたりから順にやって、確か太平洋戦争あたりで年度末を迎えて時間切れになったため、日本史に関しても現代史はほとんど勉強していません。

本当はそういう欠落した部分を自分で勉強すべきなのでしょうが、いいかげん大人になったというのに、そのような勉強を怠ってきました。

この本はそのように知識が欠落していた範囲の一部を、非常に効率よく埋めてくれました。また、説明の分かりやすさには定評のある池上彰の文章のおかげで、短時間で通読できました。

短時間で世界の現代史を概観できた結果、読後感として最も大きかったのは、「自分は今までこんなことも知らなかったのか」ということでした。例えばベトナム戦争の経緯は大雑把に知っていましたが、カンボジアとの関係は知りませんでした。天安門事件は知っていましたが、それが発生した背景や、その後の中国で何が起きたか、などは詳しく知りませんでした。こういう知識を持っているのといないのとでは、ニュースを読んだときの認識が大きく異なるはずで、なんで今までこんなことも学ばなかったのか、と後悔しましたが、今さらながらこの本のおかげで学べて良かったと思います。

また、この本を読んだ後に強く感じたのは、欧米諸国の身勝手さです。中東情勢が混乱している原因の一つは、イギリスとフランスがシリアあたりの国境を適当に引いたことですし、その後もアメリカ、ロシア(ソビエト)が自国にとって都合のいい勢力にテコ入れした結果、紛争が激化したり、政府が崩壊したり、テロが多発したりしています。こんな身勝手な話はないでしょう。もちろん、それを理由に IS の行為を正当化するつもりはありませんが、いま世界で起きていることを理解する際には、これらの経緯を知った上で、背景も含めて理解しなければならないということを再認識しました。

もちろん、この本に書いてあることだけが全てではないと思いますので、この本で知ったことを足がかりとして、さらに勉強していかなければならないと、あらためて思いました。

なおこの本には、様々な戦争が始まった原因、戦争の成り行き、戦後処理に関する説明が多数含まれていますが、戦後処理が欧米諸国の思惑通りにうまくいった事例が一つもありません。これらに比べると GHQ による日本の戦後処理は、100 点満点とは言えないにしても、奇跡的にうまくいったのではないかと思えます。もしかしたら、日本の戦後処理がうまくできたから、他の国に対してもうまくいくと楽観的になった結果が、これらの惨憺たる現状なのかも知れません。

(かなり前に読んで別のところにメモしてあったものを再録しました。)

 

【書籍情報】

池上彰(2015)『学校では教えない 「社会人のための現代史 」池上彰教授の東工大講義 国際篇』 文春文庫

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音楽の現場におけるコロナウイルス感染に関するリスクアセスメント結果の要点(フライブルク音楽医療研究所の論文から)

以下に記述する内容は、フライブルク音楽医学研究所(注 1)の Claudia Spahn 教授らが発表した論文『RISK ASSESSMENT OF A CORONAVIRUS INFECTION IN THE FIELD OF MUSIC』(5 月 19 日改訂版)の英訳版(注 2)から、自分が関心のある場所をピックアップしたものです。

自分自身の作業時間や英語力との兼ね合いと、原著者の翻訳権の観点から、全訳は行わず、自分自身の活動と関連が深い部分のみ、スピード重視で要約と意訳を行っています。したがって正確さについては責任を持てませんのでご了承ください。

Introduction (まえがき)

この論文は、感染拡大防止に関する政府や保健当局などによる規則は全ての音楽家に適用されるという前提で、音楽の現場における判断のための、より具体的な情報やガイダンスを提供するために書かれている。(3 ページ)

この論文には、2020 年 5 月 5 日にバンベルク交響楽団によって行われた実験(注 3)を元にした研究の結果が含まれている。この実験における計測はTintschl BioEnergie- および Strömungstechnik AG といった企業に委託された。(4 ページ)

1. Transmission Pathways of SARS-CoV-2 (SARS-CoV-2 の感染経路)

これまでの研究から、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は飛沫(droplet)またはエアロゾル(aerosols)を通じて感染しうることが知られている。接触感染も起こりうる。ロベルト・コッホ研究所の研究では、コロナウイルスの RNA を含むエアロゾルが、感染者が吐いた息のサンプルか、感染者がいた部屋の空気から検出されている。また、唾液や気道内分泌液(respiratory secretions)も感染の媒体となる可能性がある。(8 ページ)

2. Specific Risk Aspects in the Field of Music (音楽の現場における具体的なリスクの観点)

2.1 Systemic Possibilities for Risk Reduction in the Field of Music (音楽の現場におけるリスク低減のための体系的な可能性)

b.) Parameters of Room & Space / Air & Ventilation / Duration (部屋・空間、空気・換気、時間のパラメーター)

これまでの疫学的知見から、部屋、空調、および人の集団にさらされている時間の長さが、感染リスクに対して決定的な(decisive)影響があると考えられている。(12 〜 13 ページ)

歌や演奏が閉じた空間で行われる場合、定期的かつ徹底的な(thorough)換気が、リスク低減の重要なファクターとなるようである。空調装置による換気は、エアロゾルからの感染リスクを減らすと推測される。(13 ページ)

エアロゾルは、たとえ窓が閉まっていても、おおよそ換気回数(注 4)0.5 〜 2/h 程度の自然換気によって除去される。例えばコンサートホールなどの空調装置(HVAC)については、換気回数はおおむね 4 〜 8/h である(注 5)。(13 〜 14 ページ)

リハーサルを短時間(例えば 15 分程度)(注 6)にし、換気のための休憩を入れることは、恐らくリスクを低減させる。(14 ページ)

2.2 Vocal and Instrument-specific Risk Assessment (歌唱および楽器に特化したリスクアセスメント)

2.2.1 Vocal (歌唱)

一般に、飛沫はサイズが大きいので最大でも 1m 以上飛ばずに落ちる。これが日常生活において最低 1.5m 離れろというルールの根拠になっている。声に関する生理学的知見から、発声によってこれを超える空気の動きは起こらないと考えられている。これは最近バンベルク交響楽団で実施された計測でも確認された。破裂音や摩擦音のような子音を伴う強いアーティキュレーションにおいて、わずかな乱気流は見られたが、歌手から 2m 離れた場所では空気の動きは検出されなかった。したがって強いアーティキュレーションであっても、2m 離れれば飛沫感染を防止できると考えられる(注 7)。(16 ページ)

今のところ、歌唱中のエアロゾルに関する科学的研究は行われていないが、基本的に、休んでいる時や話す時と同様に、歌唱によってウイルスを運ぶエアロゾルが生成されると想定すべきである。歌うときに息を深く吸うことによって感染リスクがどのくらい高まるかは、まだ科学的に調査されていない。(17 ページ)

いくつかの異なる合唱団で、リハーサルや宗教的行事の後に新型コロナウイルスの感染が何度か報告されている。これらの例でエアロゾル感染が疑われているが、他のファクターが影響している可能性もある。(19 〜 20 ページ)

とても広い部屋を使うか、こまめな換気を行うこと、適切な空調を用いることが、エアロゾル感染のリスクを低減するために重要である。リハーサルは 15 分以内に区切って、休憩時間に換気を行うことも、リスク低減につながる。飛沫感染をなくすために、ソーシャルディスタンスを保つルールを合唱においても守り、休憩時間にはフェイスマスクを付けるべきである。休憩時間においても、手の接触や、楽譜の配布などにおける接触を避けるよう注意すべきである。(20 ページ)

2.2.2 Wind Instrument Playing (管楽器の演奏)

フルートを除けば、唇やリードの振動で音を発生させるため、歌唱に比べると単位時間あたりに吐出される空気の量は少ない。バンベルク交響楽団における最新の計測もこれを裏付けている。(22 ページ)

金管楽器およびリードを使う木管楽器では、口と楽器との間から空気が漏れないため、演奏による直接的な飛沫感染は発生しない。(22 ページ)

フルートでは、空気が演奏者の口から環境へ直接吐き出されるため、飛沫が飛ぶ可能性があるが、バンベルク交響楽団における計測では、2m 離れた場所で空気の動きが検出されなかったので、これだけ離れていれば飛沫感染が発生する可能性はとても少ない。(23 ページ)

管楽器の内側では呼気が凝結して水になるため、呼気に含まれるエアロゾルはかなり減少する。感染者の楽器のウォーターキイから排出される水には、ウイルスが含まれている可能性がある。ただしこの水にどのくらいの量のウイルスが含まれるかは計測されていない。(23 ページ)

物理的な推測として、管楽器の内側にエアロゾルの粒子が付着することによって、環境に排出されるエアロゾルを減少させるフィルターの役割を果たす可能性があるが、その効果は計測されていない。(24 ページ)

明確な証拠がない限りは、透明な保護具や密に織られた絹布を金管楽器のベルの前に置くことを推奨する意見もある。木管楽器のベルを覆うような方法は、途中のキーホールから空気が漏れることから、効果的ではない。(24 ページ)

演奏者が息を深く吸うことによって感染リスクがどのくらい高まるかは、まだ科学的に調査されていない。(24ページ)

我々の知る限り、管楽器の演奏による呼気中のウイルス濃度を計測した例はない。また、管楽器の中を通ることによってウイルスがどのくらい減るかも分かっていない。(25 ページ)

最新の計測結果から、我々が 4 月 25 日に示した最初のリスクアセスメントで述べたような 3 〜 5m という距離をとることは不要であり、最小の距離としては 2m で十分であると考えられる。この距離が守られれば、飛沫感染が発生する可能性は非常に低い。(25 ページ)

管楽器の中に溜まった水を捨てるときは、床に落とさず、容器に集めるか紙に吸収させることを推奨する。楽器の中をクリアにするために息を吹き込むべきではない。(25 ページ)

管楽器の中に溜まった水に触れる場合や、ホルンなどで管楽器の内側に触れる場合は、手を清潔に保つよう、石鹸を使って 30 秒以上手を洗うなど、特に注意が必要である。(25 〜 26 ページ)

2.2.3 Other Instruments (その他の楽器)

鍵盤楽器を演奏する場合は、演奏前に必ず(石鹸を使って、必要に応じて消毒液を使って)手を少なくとも 30 秒洗わなければならない。加えて、鍵盤も演奏前後にクリーニングクロスを使って消毒すべきである。(28 ページ)

弦楽器や打楽器も含めて楽器の受け渡しや共有は避けるべきである。(29 ページ)

アンサンブルなどで管楽器を演奏しない音楽家は、エアロゾル感染のリスクを低減するために、フェイスマスクなどを装着すべきである。(29 ページ)

3. Risk Management (リスクマネジメント)

効果的なリスクマネジメントは通常、結果が生じる可能性に関する詳細なリスク分析と、リスク低減のための手法の効果に関する知識を必要とするが、新型コロナウイルスの感染に関しては不明な点が多いため、現時点ではリスクマネジメントは未知数の多い方程式となっている。これらの未知数によって、ゴールに対する期待の違い(感染者率 vs. 音楽文化の維持)や個人の態度の違い(リスクを犯すか、リスクを避けるか)が生まれる余地ができている。全ての個人が、自分がどの程度リスクを犯すかを自分自身で決める権利を持つべきである。我々は科学者として、これらの未知数をできるだけ既知の変数に変えていく手助けをしたい。(32 ページ)

現時点では科学的に確認された知見が不十分なため、我々はリスクを過小評価するのではなく、過大評価する方向に間違えなければならない。この方法で、リスク低減策を組み合わせることによって、総合的な感染リスクを可能な限り小さくできる。しかしながら、「ALARP」の原則(As Low as Reasonably Practicable :合理的かつ実行可能である限り低く)によって、定量化できない残余リスクが存在し得ることを明確に指摘しなければならない。

以上

【注釈】

  1. Freiburger Institut für Musikermedizin https://www.uniklinik-freiburg.de/musikermedizin.html
  2. Spahn, C. & Richter, B. (2020). RISK ASSESSMENT OF A CORONAVIRUS INFECTION IN THE FIELD OF MUSIC. (Swope, S. & Moss, K., Trans.). Retrieved June 13, 2020 from The Hochschule für Musik Freiburg website: https://www.mh-freiburg.de/fileadmin/Downloads/Allgemeines/engl._Risk_AssessmentCoronaMusicSpahnRichter19.5.2020.pdf
  3. Bamberger Symphoniker: Wissenschaftler messen Aerosolausstoß: https://www.br.de/nachrichten/bayern/bamberger-symphoniker-wissenschaftler-messen-aerosolausstoss,Ry6T6OU?UTM_Name=Web-Share&UTM_Source=Link&UTM_Medium=Link&fbclid=IwAR3lagiezP-3hkxx8Y27PCrkK6Qxtsv-gTUKR0z_E1ONIQ41ess8ZwjP2iY
  4. 「換気回数」とは、自然換気や空調などによる 1 時間あたりの空気の流入量(体積)を、その部屋の容積で割った値です。1 時間の間に換気を行う回数だと誤解されることがあるのでご注意下さい。
  5. この部分に関しては「vis」をどう訳していいか分からず、訳にイマイチ自信がありません。原文は次のようになっています。「Aerosols are removed by way of natural ventilation vis the exchange of air in the range of approx. 0.5–2/h even with closed windows; for HVAC, e.g., in concert halls or performance halls, the air exchange rate is approx. 4-8/h」
  6. 時間に関してはロベルト・コッホ研究所から 4 月 16 日に発表された論文に記述があるようですが、まだ読んでいません。…..っていうかドイツ語なので(以下略)。
  7. 4 月 25 日に公開された前版においては 3 〜 5m 程度離れることを推奨していましたが、現在はそこまでは必要ないとの結論に達しています。

 


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