Jason Casanova 先生のフレージング講座メモ

昨晩は International Euphonium Tuba Festival 2020 の中で Jason Casanova 先生による「Phrasing and Expressive Playing」講座を選んで受講してみました。

まず前半の 30 分は、事前に収録されたレクチャー動画を YouTube で視聴し、そのあとで Zoom での質疑応答に移りました。

レクチャー動画ではまず「Merriam-Webster(有名な英語辞書)で “phrase” がどう説明されているか」という、とても基本的なところから始まりました(phrase には名詞と動詞の両方の意味がありますが、ここでは動詞の方)。

次に、「Hey Mom, could I please borrow 20 Dolores to go to the mall?」と言うときに、どの単語を強調したらママのリアクションがどのように変わるか、というたとえ話を使って、フレージングの意味や重要性を説明してくださいました。ユニークでとても分かりやすい説明でした。

このような基礎の説明に続いて、Joannes Rochut の Melodious Etudes から No. 4 を題材にして、フレージングを 4 通りくらい変えて実演して下さいました。これに関しては「どれが正解という事はない」と強調されていましたが、フレージングを変えることでいかに印象が変わるのかが、とても分かりやすい実演でした。

Melodious Etudes は自分自身も取り組んでいた時期がありましたが、先日は三浦徹先生も米国留学中に Melodious Etudes に出会ったという話をされていましたし、やはり誰もが取り組む教則本なんだな、ということを再認識したので、近いうちにあらためて引っ張り出してやってみたいと思います。沢野先生の伴奏音源も持ってることだし。

三浦徹先生からあらためて刺激をいただいた

連日 International Euphonium Tuba Festival 2020 に参加して寝不足な日々が続いております。もちろん全てを聴講している訳ではないのですが、面白そうなセッションが深夜 2 時とか 3 時からというのが多いので、なかなか辛いものがあります。

しかしながら日本人向けに早めの時間帯のプログラムも一部用意されており、昨日は 18:00 からの安東京平先生のマスタークラスの後、21:00 から三浦徹先生を迎えての Legends Talk セッションがありました(内容も全て日本語)。

日本の Euphonium 奏者の道を開拓してこられたと言っても過言ではない三浦先生が、米国留学などを通じてどのように学んでこられたのか、ご本人からお伺いできたのは大変貴重な機会であったと思います。

セッションの最後の方では、Zoom 越しではありますが、短時間ながら直接お話させていただくこともでき、大変光栄でした(実は中学生の時に一度だけ会話させていただく機会があったので、これが二度目でした)。Euphonium を長く続ける秘訣について質問をさせていただき、貴重な示唆をいただくと同時に、大変刺激を受け、自分自身も決意を新たにしました。

管楽器のオンラインレッスンは意外とアリかもしれないと思った

今日は International Euphonium Tuba Festival 2020安東京平先生のマスタークラスを聴講しました。Zoom 越しで音色もずいぶん変わると思いますので、私自身はオンラインでのレッスンには懐疑的だったのですが、昨日の David Childs と、今日の安東京平先生のレッスンを聴講してみて、これはこれで意外とアリだなと思いました。

受講者は恐らくスマートフォンなどで参加されていると思いますので、音量の調節があまりうまくいってなかったり、音が割れたりすることも多いのですが、ちゃんと楽器が鳴ってる時と鳴ってないときの違いや、イントネーションの良し悪しなどは意外とはっきり分かりました。他の方の音に関してこういう言い方もナニなのですが、今回聴講してみて、自分の音がどのように先生に届くかが何となく想像できたので、マイク越し Zoom 越しでも、自分のまずいところはちゃんと指摘してもらえそうな感じがしました。

今のところレッスンなど受講する予定はありませんが、今後そのような必要性が生じたときには、有効な選択肢として考えたいと思います。

Euphonium Legends Talk

昨晩(というか早朝)3 時から、現在開催中の International Euphonium Tuba Festival 2020 のプログラムの一つとして開催された、Brian Bowman 博士、Robert Childs 博士、そして三浦徹先生という 3 人による Legends Talk を視聴しました。最高でした。

肖像権などいろいろあると思いますので、スクリーンショットの掲載は自粛しますが、私が中学生の時に Euphonium を初めたときには既に日本を代表する奏者として活躍しておられた 3 人が Zoom で一堂に会するという現場に、ネット経由とはいえ立ち会うことができました。本当に得難い経験をさせていただきました。

皆さんそれぞれご自分の経験や当時の音楽界の状況などを語ってくださいました。特に三浦先生が、日本の音楽大学に Euphonium の先生がいない時代に、三浦先生が Raymond G. Young のレコードを聴いて(よくそんなレコードが日本にあったなと思いましたが)感動し、秋山和慶先生に紹介状を書いてもらってアメリカに留学したという経緯を語ってくださったのが印象的でした。

こういう方々の活躍のおかげで現在の自分が音楽を楽しむ環境ができているという、先人のありがたさを再認識できた、貴重な時間でもありました。

読書メモ『学校では教えない 「社会人のための現代史 」池上彰教授の東工大講義 国際篇』(池上彰)

私は中学、高校とも社会科では日本史を選択したので、世界史を網羅的に勉強した事がありません。また日本史にしても、縄文時代あたりから順にやって、確か太平洋戦争あたりで年度末を迎えて時間切れになったため、日本史に関しても現代史はほとんど勉強していません。

本当はそういう欠落した部分を自分で勉強すべきなのでしょうが、いいかげん大人になったというのに、そのような勉強を怠ってきました。

この本はそのように知識が欠落していた範囲の一部を、非常に効率よく埋めてくれました。また、説明の分かりやすさには定評のある池上彰の文章のおかげで、短時間で通読できました。

短時間で世界の現代史を概観できた結果、読後感として最も大きかったのは、「自分は今までこんなことも知らなかったのか」ということでした。例えばベトナム戦争の経緯は大雑把に知っていましたが、カンボジアとの関係は知りませんでした。天安門事件は知っていましたが、それが発生した背景や、その後の中国で何が起きたか、などは詳しく知りませんでした。こういう知識を持っているのといないのとでは、ニュースを読んだときの認識が大きく異なるはずで、なんで今までこんなことも学ばなかったのか、と後悔しましたが、今さらながらこの本のおかげで学べて良かったと思います。

また、この本を読んだ後に強く感じたのは、欧米諸国の身勝手さです。中東情勢が混乱している原因の一つは、イギリスとフランスがシリアあたりの国境を適当に引いたことですし、その後もアメリカ、ロシア(ソビエト)が自国にとって都合のいい勢力にテコ入れした結果、紛争が激化したり、政府が崩壊したり、テロが多発したりしています。こんな身勝手な話はないでしょう。もちろん、それを理由に IS の行為を正当化するつもりはありませんが、いま世界で起きていることを理解する際には、これらの経緯を知った上で、背景も含めて理解しなければならないということを再認識しました。

もちろん、この本に書いてあることだけが全てではないと思いますので、この本で知ったことを足がかりとして、さらに勉強していかなければならないと、あらためて思いました。

なおこの本には、様々な戦争が始まった原因、戦争の成り行き、戦後処理に関する説明が多数含まれていますが、戦後処理が欧米諸国の思惑通りにうまくいった事例が一つもありません。これらに比べると GHQ による日本の戦後処理は、100 点満点とは言えないにしても、奇跡的にうまくいったのではないかと思えます。もしかしたら、日本の戦後処理がうまくできたから、他の国に対してもうまくいくと楽観的になった結果が、これらの惨憺たる現状なのかも知れません。

(かなり前に読んで別のところにメモしてあったものを再録しました。)

 

【書籍情報】

池上彰(2015)『学校では教えない 「社会人のための現代史 」池上彰教授の東工大講義 国際篇』 文春文庫

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音楽の現場におけるコロナウイルス感染に関するリスクアセスメント結果の要点(フライブルク音楽医療研究所の論文から)

以下に記述する内容は、フライブルク音楽医学研究所(注 1)の Claudia Spahn 教授らが発表した論文『RISK ASSESSMENT OF A CORONAVIRUS INFECTION IN THE FIELD OF MUSIC』(5 月 19 日改訂版)の英訳版(注 2)から、自分が関心のある場所をピックアップしたものです。

自分自身の作業時間や英語力との兼ね合いと、原著者の翻訳権の観点から、全訳は行わず、自分自身の活動と関連が深い部分のみ、スピード重視で要約と意訳を行っています。したがって正確さについては責任を持てませんのでご了承ください。

Introduction (まえがき)

この論文は、感染拡大防止に関する政府や保健当局などによる規則は全ての音楽家に適用されるという前提で、音楽の現場における判断のための、より具体的な情報やガイダンスを提供するために書かれている。(3 ページ)

この論文には、2020 年 5 月 5 日にバンベルク交響楽団によって行われた実験(注 3)を元にした研究の結果が含まれている。この実験における計測はTintschl BioEnergie- および Strömungstechnik AG といった企業に委託された。(4 ページ)

1. Transmission Pathways of SARS-CoV-2 (SARS-CoV-2 の感染経路)

これまでの研究から、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は飛沫(droplet)またはエアロゾル(aerosols)を通じて感染しうることが知られている。接触感染も起こりうる。ロベルト・コッホ研究所の研究では、コロナウイルスの RNA を含むエアロゾルが、感染者が吐いた息のサンプルか、感染者がいた部屋の空気から検出されている。また、唾液や気道内分泌液(respiratory secretions)も感染の媒体となる可能性がある。(8 ページ)

2. Specific Risk Aspects in the Field of Music (音楽の現場における具体的なリスクの観点)

2.1 Systemic Possibilities for Risk Reduction in the Field of Music (音楽の現場におけるリスク低減のための体系的な可能性)

b.) Parameters of Room & Space / Air & Ventilation / Duration (部屋・空間、空気・換気、時間のパラメーター)

これまでの疫学的知見から、部屋、空調、および人の集団にさらされている時間の長さが、感染リスクに対して決定的な(decisive)影響があると考えられている。(12 〜 13 ページ)

歌や演奏が閉じた空間で行われる場合、定期的かつ徹底的な(thorough)換気が、リスク低減の重要なファクターとなるようである。空調装置による換気は、エアロゾルからの感染リスクを減らすと推測される。(13 ページ)

エアロゾルは、たとえ窓が閉まっていても、おおよそ換気回数(注 4)0.5 〜 2/h 程度の自然換気によって除去される。例えばコンサートホールなどの空調装置(HVAC)については、換気回数はおおむね 4 〜 8/h である(注 5)。(13 〜 14 ページ)

リハーサルを短時間(例えば 15 分程度)(注 6)にし、換気のための休憩を入れることは、恐らくリスクを低減させる。(14 ページ)

2.2 Vocal and Instrument-specific Risk Assessment (歌唱および楽器に特化したリスクアセスメント)

2.2.1 Vocal (歌唱)

一般に、飛沫はサイズが大きいので最大でも 1m 以上飛ばずに落ちる。これが日常生活において最低 1.5m 離れろというルールの根拠になっている。声に関する生理学的知見から、発声によってこれを超える空気の動きは起こらないと考えられている。これは最近バンベルク交響楽団で実施された計測でも確認された。破裂音や摩擦音のような子音を伴う強いアーティキュレーションにおいて、わずかな乱気流は見られたが、歌手から 2m 離れた場所では空気の動きは検出されなかった。したがって強いアーティキュレーションであっても、2m 離れれば飛沫感染を防止できると考えられる(注 7)。(16 ページ)

今のところ、歌唱中のエアロゾルに関する科学的研究は行われていないが、基本的に、休んでいる時や話す時と同様に、歌唱によってウイルスを運ぶエアロゾルが生成されると想定すべきである。歌うときに息を深く吸うことによって感染リスクがどのくらい高まるかは、まだ科学的に調査されていない。(17 ページ)

いくつかの異なる合唱団で、リハーサルや宗教的行事の後に新型コロナウイルスの感染が何度か報告されている。これらの例でエアロゾル感染が疑われているが、他のファクターが影響している可能性もある。(19 〜 20 ページ)

とても広い部屋を使うか、こまめな換気を行うこと、適切な空調を用いることが、エアロゾル感染のリスクを低減するために重要である。リハーサルは 15 分以内に区切って、休憩時間に換気を行うことも、リスク低減につながる。飛沫感染をなくすために、ソーシャルディスタンスを保つルールを合唱においても守り、休憩時間にはフェイスマスクを付けるべきである。休憩時間においても、手の接触や、楽譜の配布などにおける接触を避けるよう注意すべきである。(20 ページ)

2.2.2 Wind Instrument Playing (管楽器の演奏)

フルートを除けば、唇やリードの振動で音を発生させるため、歌唱に比べると単位時間あたりに吐出される空気の量は少ない。バンベルク交響楽団における最新の計測もこれを裏付けている。(22 ページ)

金管楽器およびリードを使う木管楽器では、口と楽器との間から空気が漏れないため、演奏による直接的な飛沫感染は発生しない。(22 ページ)

フルートでは、空気が演奏者の口から環境へ直接吐き出されるため、飛沫が飛ぶ可能性があるが、バンベルク交響楽団における計測では、2m 離れた場所で空気の動きが検出されなかったので、これだけ離れていれば飛沫感染が発生する可能性はとても少ない。(23 ページ)

管楽器の内側では呼気が凝結して水になるため、呼気に含まれるエアロゾルはかなり減少する。感染者の楽器のウォーターキイから排出される水には、ウイルスが含まれている可能性がある。ただしこの水にどのくらいの量のウイルスが含まれるかは計測されていない。(23 ページ)

物理的な推測として、管楽器の内側にエアロゾルの粒子が付着することによって、環境に排出されるエアロゾルを減少させるフィルターの役割を果たす可能性があるが、その効果は計測されていない。(24 ページ)

明確な証拠がない限りは、透明な保護具や密に織られた絹布を金管楽器のベルの前に置くことを推奨する意見もある。木管楽器のベルを覆うような方法は、途中のキーホールから空気が漏れることから、効果的ではない。(24 ページ)

演奏者が息を深く吸うことによって感染リスクがどのくらい高まるかは、まだ科学的に調査されていない。(24ページ)

我々の知る限り、管楽器の演奏による呼気中のウイルス濃度を計測した例はない。また、管楽器の中を通ることによってウイルスがどのくらい減るかも分かっていない。(25 ページ)

最新の計測結果から、我々が 4 月 25 日に示した最初のリスクアセスメントで述べたような 3 〜 5m という距離をとることは不要であり、最小の距離としては 2m で十分であると考えられる。この距離が守られれば、飛沫感染が発生する可能性は非常に低い。(25 ページ)

管楽器の中に溜まった水を捨てるときは、床に落とさず、容器に集めるか紙に吸収させることを推奨する。楽器の中をクリアにするために息を吹き込むべきではない。(25 ページ)

管楽器の中に溜まった水に触れる場合や、ホルンなどで管楽器の内側に触れる場合は、手を清潔に保つよう、石鹸を使って 30 秒以上手を洗うなど、特に注意が必要である。(25 〜 26 ページ)

2.2.3 Other Instruments (その他の楽器)

鍵盤楽器を演奏する場合は、演奏前に必ず(石鹸を使って、必要に応じて消毒液を使って)手を少なくとも 30 秒洗わなければならない。加えて、鍵盤も演奏前後にクリーニングクロスを使って消毒すべきである。(28 ページ)

弦楽器や打楽器も含めて楽器の受け渡しや共有は避けるべきである。(29 ページ)

アンサンブルなどで管楽器を演奏しない音楽家は、エアロゾル感染のリスクを低減するために、フェイスマスクなどを装着すべきである。(29 ページ)

3. Risk Management (リスクマネジメント)

効果的なリスクマネジメントは通常、結果が生じる可能性に関する詳細なリスク分析と、リスク低減のための手法の効果に関する知識を必要とするが、新型コロナウイルスの感染に関しては不明な点が多いため、現時点ではリスクマネジメントは未知数の多い方程式となっている。これらの未知数によって、ゴールに対する期待の違い(感染者率 vs. 音楽文化の維持)や個人の態度の違い(リスクを犯すか、リスクを避けるか)が生まれる余地ができている。全ての個人が、自分がどの程度リスクを犯すかを自分自身で決める権利を持つべきである。我々は科学者として、これらの未知数をできるだけ既知の変数に変えていく手助けをしたい。(32 ページ)

現時点では科学的に確認された知見が不十分なため、我々はリスクを過小評価するのではなく、過大評価する方向に間違えなければならない。この方法で、リスク低減策を組み合わせることによって、総合的な感染リスクを可能な限り小さくできる。しかしながら、「ALARP」の原則(As Low as Reasonably Practicable :合理的かつ実行可能である限り低く)によって、定量化できない残余リスクが存在し得ることを明確に指摘しなければならない。

以上

【注釈】

  1. Freiburger Institut für Musikermedizin https://www.uniklinik-freiburg.de/musikermedizin.html
  2. Spahn, C. & Richter, B. (2020). RISK ASSESSMENT OF A CORONAVIRUS INFECTION IN THE FIELD OF MUSIC. (Swope, S. & Moss, K., Trans.). Retrieved June 13, 2020 from The Hochschule für Musik Freiburg website: https://www.mh-freiburg.de/fileadmin/Downloads/Allgemeines/engl._Risk_AssessmentCoronaMusicSpahnRichter19.5.2020.pdf
  3. Bamberger Symphoniker: Wissenschaftler messen Aerosolausstoß: https://www.br.de/nachrichten/bayern/bamberger-symphoniker-wissenschaftler-messen-aerosolausstoss,Ry6T6OU?UTM_Name=Web-Share&UTM_Source=Link&UTM_Medium=Link&fbclid=IwAR3lagiezP-3hkxx8Y27PCrkK6Qxtsv-gTUKR0z_E1ONIQ41ess8ZwjP2iY
  4. 「換気回数」とは、自然換気や空調などによる 1 時間あたりの空気の流入量(体積)を、その部屋の容積で割った値です。1 時間の間に換気を行う回数だと誤解されることがあるのでご注意下さい。
  5. この部分に関しては「vis」をどう訳していいか分からず、訳にイマイチ自信がありません。原文は次のようになっています。「Aerosols are removed by way of natural ventilation vis the exchange of air in the range of approx. 0.5–2/h even with closed windows; for HVAC, e.g., in concert halls or performance halls, the air exchange rate is approx. 4-8/h」
  6. 時間に関してはロベルト・コッホ研究所から 4 月 16 日に発表された論文に記述があるようですが、まだ読んでいません。…..っていうかドイツ語なので(以下略)。
  7. 4 月 25 日に公開された前版においては 3 〜 5m 程度離れることを推奨していましたが、現在はそこまでは必要ないとの結論に達しています。

 


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音楽活動にかかわる新型コロナウイルス対策関連情報(随時更新)

公的ガイドライン

 

各種団体などによるガイドライン類

 

論文や報告書

 

実験など

 

解説記事

  • 日経ビジネス『緊急事態宣言解除「現状で確実に言えること」を専門家に聞く – 分子ウイルス学、免疫学研究者・峰宗太郎氏インタビュー(その1)』(山中 浩之)(2020/05/27)
    https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00164/052600001/
  • 日経ビジネス『専門家に根掘り葉掘り!新型コロナの薬・ワクチン・検査 – 分子ウイルス学、免疫学研究者・峰宗太郎氏インタビュー(その2)』(山中 浩之)(2020/05/28)
    https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00164/052700002/
  • 日経ビジネス『神風は吹かない、でも日本は負けないよ – 分子ウイルス学、免疫学研究者・峰宗太郎氏インタビュー(その3)』(山中 浩之)(2020/05/29)
    https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00164/052800003/

スーパーオートバックスの店員さんが 3 回驚いたタイヤ交換

今日、自分の車のタイヤ交換が完了しました。

まあ大した話ではないんですけどね。

まず最初はタイヤのサイズ(205/45 R17)に驚かれました。このサイズを揃えている銘柄は少ないそうで、高価な外国メーカーをパスしたら、国内タイヤメーカーでこのサイズがある銘柄は 4 つしかありませんでした。まさか自分の車のタイヤがそんなに特殊なサイズだとは思ってもみませんでした。

少ない選択肢の中から、店員さんと相談しながら選んだのですが、これがたまたま店に 1 セット在庫があることが分かりました。こんな普段出ないサイズのタイヤの在庫があったことに店員さんが再度驚き、ピットに予定を聞いたら、平日の夕方ということもあって空きがあったので今日いきなり交換作業可能とのこと。今度は自分が驚きました。

そういう訳でタイヤ交換をお願いしたら、現車を見た店員さんから、こんどはマニュアル車だということで驚かれてしまいました。まあ今だにマニュアル車に乗ってるのは少数派だとは思いますが、店員さんによると輸入車をマニュアルで乗る人は少ないということで、さらにレア感が増したようです。

この車を買うときは、タイヤのサイズがそんなに特殊だとは思ってなかったんですけどね。結果として結構珍しいお客さんになってしまいました。

 

なお、上の内容とは全く関係ありませんが、今回をもってゴールドメンバーになりました。

読書メモ『「超」説得法 ~ 一撃で仕留めよ』(野口悠紀雄)

野口悠紀雄氏の『「超」○○法』シリーズは何冊も読んでいますが、これらに共通するのは、シンプルな方法論の有効性が論理的に説明されていることだと思います。しかし本書からは、従来とは少し異なる印象を受けました。

私が本書を従来と違うなと感じた理由は恐らく、いくつかの事例(フィクションを含む)を紹介したうえで、これらの成功(もしくは失敗)要因を分析し、方法論の説明に利用していることではないかと思います。本書で紹介されている主な事例は次の通りです。

  • 早稲田大学ファイナンス研究科の入試面接における女子受験生
  • 田中角栄大蔵大臣(当時)の、日本銀行における会議
  • シェイクスピアの『マクベス』において、魔女がマクベスをそそのかす場面
  • 聖書(特にマタイ傅福音書、ルカ傅福音書、ヨハネ傅福音書)に登場する、いくつかのフレーズ
  • ナポレオンが兵に対して行った布告
  • シェイクスピアの『ヘンリーⅤ世』において、ヘンリーⅤ世が兵を鼓舞する演説
  • レーガン米大統領(当時)が大統領選を控えた公開討論会で、対立候補モンデイルに対して放った言葉
  • シェイクスピアの『リチャードⅢ世』において、リチャードがアンを口説く場面
  • シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』におけるアントニーの演説
  • 黒澤明の『七人の侍』における長老のセリフ
  • かつての日本の政治家の例が複数(ただし、いずれも失敗事例)

なお政治家の事例については、欧米の政治家の事例(サッチャー元首相を含む)がいずれも成功例であるのに対して、日本のそれらについてはほとんどが失敗例です。まあ現状からしてやむを得ないでしょう。

これらはいずれも説得の仕方に関する事例ですが、他にも話の締めくくり方の説明のために、小説や映画のラストシーンが多数引き合いに出されていますし、命名法の説明のために様々な製品やサービスなどの成功例、失敗例が示されています(商品や本、論文などの命名も、それを買ってもらう/読んでもらうための「説得」のひとつであるという位置付けになっています)。

これらの例が多用されていることもあって、全体的に読みやすく、かつ説得方法やネーミングに関して新しい視点をくれる本になっていると思います。

(かなり前に読んで別のところにメモしてあったものを再録しました。)

 

【書籍情報】

野口悠紀雄(2013)『「超」説得法 ~ 一撃で仕留めよ』 講談社

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Google 翻訳が思わぬところで賢くなってた

私は Google 翻訳を、恐らくほぼ毎日使ってまして、本当に便利な時代になったなぁ、といろいろな皆様に感謝しているところです。

ただ私の場合、全く英語ができないわけではないけれど自分の英語にイマイチ自信がないという中途半端なレベルなので、ちょっと変な使い方をしています。

基本的に読み書きは自力でやります。英文をまるごと Google 翻訳に流し込んで和訳させたり、その逆をやって英作文させたり、ということはほとんどありません。これはやはり誤訳が心配なのと、英作文に関しては自分でやった方が早いと思われることが多いからです。特に英作文に関しては、自動翻訳された英文を見て、「自分だったらこう書くよなぁ」というような修正をすることになるので、辞書を引きながらでも最初から自分で英文を考えたほうが早いと思っています。

では自分がいつ Google 翻訳を使うかというと、自分が作った英文をチェックするときです。英文でメールを打つ時など、文面が多少長くなったときは自分で作った英文を Google 翻訳にかけて、和訳された文章に問題なければ OK。もし Google 翻訳が和訳を間違えたり、自分の意図と異なる和文になったときは、Google でも誤訳しないように元の英文を直します。元の英文が間違っていない場合もありますが、Google 翻訳でも誤訳しないようになったほうが、より誤解されにくい英文になったと思えるからです。

今日もそんな作業をしておりましたら、Google 翻訳が元文のスペルミスを見逃してくれていることに気づきました。

以前はスペルミスの箇所に下線が付いたり、修正候補が出ていたように思うのですが(既に記憶が曖昧ですが)、私が流し込んだ英文にスペルミスがあっても、何も指摘せずに、しかも正しく和訳してくれました。相手に送る直前に、メールソフトのスペルチェックに引っかかって気づいたので全く問題はなかったのですが、多少のスペルチェックを大目に見て訳してくれるほと Google 翻訳も賢くなったのかと、ちょっと驚きました。

 

まあ私の用途に限って言えば、気を利かせずにビシバシ指摘してほしいんですけどね….。

読書メモ『戯曲 福島三部作』(谷賢一)

タイトルに「読書メモ」とは書いてありますが、実は「読書」というほど読んでませんし、何なら「読書」するために入手した本ではありません。

2019 年に突如として観劇に目覚め、訳も分からず最初に観た舞台が劇団「DULL-COLORED POP」の「あつまれ!『くろねこちゃんとべーじゅねこちゃん』まつり」で、その流れで同劇団の「福島三部作」に、すっかりハマってしまいました。全部で何回観たか分からなくなりました。

三作とも劇場で台本を購入し、出演者の方のサインまでいただいたりして、大事にとってありますが、これが書籍として出版されることを、劇場で配布されたチラシで知ったので、早速予約購入しましたので、私の手元には谷さんのサイン入りの本があります。

劇場で台本を購入したときには、大量に脚注が付けられていたことに驚きました。これは著者の谷氏がこの台本を膨大な取材に基づいて書き上げられたからであり、ストーリーの元になった事実やセリフの裏にある背景事情などが詳細に記述されています。台本としてだけでなく、資料としての価値があるのではないかと思えるほどです。これらの脚注も全て、この本にも収録されています。

この本を読むと、劇場で何度も舞台を観たときのことを思い出します。もちろん台本には書かれていない演出も含めて、舞台の情景が鮮明に蘇ってきますので、あちこちのセリフを読むたびに、舞台を思い出してニヤニヤしてしまいます。そういう演劇の楽しみ方を教えてくれた谷さんはじめ DULL-COLORED POP の皆様には本当に感謝しています。

また劇場に、演劇を観に行きたいと思います。

 

【書籍情報】

谷賢一(2019)『戯曲 福島三部作』 而立書房

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